23 私が観ていた世界
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「それぞれが担当する方角だが…、仮面の男は東にいる可能性が高いのか?」
「根拠も何もない推測だけどね。」
「担当する方角は決まってないし推測でもいいさ。じゃあ、俺とイエローは東に行くな。」
「東は俺が…!」
「シルバー。仮面の男が本当に氷の能力者だったらアタシ達じゃ大した戦力になれないわ。東はレッド達にまかせましょう。」
「…。」
ブルーの言葉にシルバーは納得いかなそうに顔をそらした。
「イミテ先輩!俺達は南にしましょう!」
「南?どうして?」
「南のが日当たり良いし、うまい果物の木とか生えてる可能性があるじゃないッスか!」
「…まあいっか。私達は南に行くから、グリーン達は西をお願い。」
「ああ。町があって探す場所は限られているから、終わったら合流する。」
「うん。」
「レッド。イミテ。仮面の男を見つけたら合図を忘れるなよ。」
グリーンが念を押すように言えば、レッドもイミテも頷く。
そして誰からともなく、それぞれ各々の方角へと歩き始めた。
南に進む、イミテ、ゴールド、シルバーのチーム。
「イミテ先輩!仮面の男が出てきたらまかせてください!俺がちゃちゃっと倒してやりますから!」
先頭を歩くゴールドはやる気まんまんといった様子だ。
「2人ともちょっと止まって。仮面の男を探す前に、話しておきたいことがあるの。」
「?なんスか?」
「今回は全部私の指示に従って。もちろん、仮面の男に出くわしたときも、ね。」
そんな彼女の言葉に、シルバーもゴールドも顔をしかめて言った。
「俺は俺のやりたいようにやる。お前に指図される覚えはない。」
「イミテ先輩には悪いけど、俺も自分の思った通りに動くッスよ?そのほうがやりやすいし。」
「…ああ、そう。」
イミテはいつもよりも低い声でそう呟くと、なんと、彼らに向けて矢を構えた。
「「!?」」
「個人個人で動くっていうなら逆に危ないから、アナタ達をそのまま自由にさせておくわけにはいかないね。」
ギリ…っと、矢をひくイミテ。
話の内容からして、緑の能力を使って2人を捕らえておくつもりなのだろう…その目は本気だ。
「ス、ストーップ!!分かったッス!勝手な行動しなきゃいいんでしょう!?」
「うん。シルバーは?」
「…。」
これにはシルバーも反論できなかったようで、無言で頷いた。
それに満足して、「よし。」と微笑むとイミテは弓をおろして歩き出した。
「(ほ、本気のイミテ先輩マジこえぇ~!;)」
ゴールドはゴクリと喉をならす。
「それでまず、仮面の男を見つけたときなんだけど、2人は何も手をださないで。私が最初に様子を見るから。」
「へ…!?1人でッスか!?」
「仮面の男が本当に能力者かどうかも分からないし、どんな戦法を使ってくるかも分からない。情報が少ないこの状況で全員が戦うのはリスクが大きすぎるでしょ。」
「だったらその役、俺がやるッスよ!イミテ先輩は女の子なんスからむちゃしないで、」
ゴールドの言葉にイミテがぴくりと反応した。
「男だから女だからって区別されるの、私、嫌いなんだよね。」
「あ、いや…;今のは言葉のあやで、」
「…ならいいけど。とにかく、私が様子見をする。いいね?」
「…。」
譲る様子を全く見せないイミテに、ゴールドは少々しかめっ面。
「年上の言うことは聞くもんだよ?」
イミテは楽しげに笑っていた。
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