22 痛みを知る者
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「ゴールド、なんだかんだで頑張ってるしな。修行のときは真面目だし。」
「強くなりたいって思いがゴールドの原動力なんだよね、きっと。雷の能力は使いこなせてるの?」
「最初に比べたらかなり上達してきたぜ。タイプは俺とかグリーンと同じみたいだ。」
レッドやグリーンと同じタイプ…すなわち、攻撃型だ。
能力の決まっておらず、能力者の意思で威力が変わるが、回数に限度があり1日にだせる能力の数が限られているタイプ。
「能力が雷ってだけあって、かなり素早い。」
「じゃあゴールド自身も俊敏性があるから、素早さを重点的に修行すれば、」
「ああ。速攻型として今まで以上に強くなる。イミテ、今度身のこなしとか見てやれよ。」
「うん、」
「いや、まだまだ力不足だ。」
イミテが2つ返事で頷くのをグリーンが遮った。
「…グリーンは相変わらずゴールドには厳しいよな。恨みでもあるのか?」
「お前はよく考えてから物を言え。速攻型というのはただ素早ければいいというものじゃない。」
グリーンは微妙な顔をして、レッドに返す。
「それに伴う素早い判断力と状況を処理する力、それに勘の良さが必要だ。今のアイツは勘だけで身体を動かしているようなもの。」
「グリーンの言うことも一理あるね。むやみに敵に突っ込んだら逆にこっちが痛手を負う。」
「ゴールドはまだ経験不足ってことか…。」
「でもそこまで見てるなら、グリーンもゴールドとの修行に付き合ってあげればいいのに。いつもレッドが相手してるんでしょ?」
「修行したところで俺の言うことなんて聞かないだろ。」
「そうは思わないけどなあ。」
「ゴールド、そういうとこについては真面目だしね。」
イミテの言葉にレッドも「だよな。」と頷いた。
「それにしてもレッドの言うとおり。グリーン、やけにゴールドに厳しいよね。部屋でちゃんと仲良くやってるの?」
「お前らの部屋に行ったんじゃないのか?アイツ。」
「?来てないけど。どういうことだよ、それ。」
「…。船酔いで気持ち悪い気持ち悪いうるさかったから言ったら、どこかに出て行った。てっきり他の部屋に行ったのかと…」
「うっわ。ゴールド不敏…。」
「何も追い出すことなかったのに。」
「知るか。アイツが勝手に出て行ったんだ。」
予想通りのグリーンの返答に、レッドとイミテは苦笑しながらため息をつく。
そして、ゴールドも「(やっぱグリーン先輩とはぜってぇ分かり合えねえ…)」などとふてくされていた。
「グリーンも素直じゃないよね。まあゴールドは不真面目でおちゃらけてるところがあるからグリーンと衝突するのかもしれないけど…。」
「(不真面目でおちゃらけてるって…イミテ先輩、そんなイメージひどいッスよ。)」
もちろんこの会話もゴールドにはばっちり聞こえていて、顔を引きつらせながら心の中でつっこんだ。
「ねえ、別に嫌いなわけじゃないんでしょ?ゴールドのこと。」
イミテがグリーンに笑みを向けて聞く。
「…ああ。」
彼は静かに…でも確かに頷いた。
「(マジ…?)」
ゴールドは素直に驚いた。
てっきり嫌われていると思っていたのに。
「むしろ気に入ってるんじゃないか?だから世話やきたくなるみたいな?」
「グリーン、レッドのときも最初はそんな感じだったよね。ことあるごとにつっかかって。」
「ははっ。実は照れ隠しだったりすんのか?」
「うるさいぞ、お前ら。」
気恥ずかしくなったのか、グリーンは顔をそらした。
「ま、少しは甘く接してやれよ。なっ?」
レッドが言えば、グリーンはポツリとつぶやいた。
「…努力はする。」と。
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