22 痛みを知る者
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「レッド。」
自分の名前を呼ぶ声にレッドが振り向く。
そこにはグリーンがいた。
「部屋に行ってもいないから探したぞ。ここにいたのか。」
「ああ。気晴らしに海見てたら偶然イミテと会って、話してた。」
「なに?レッドに用事?だったら私、部屋に戻るよ。」
「いや、ここにいろ。お前にも同じことを言おうと思ってた。」
「…なんの話だ?」
「明日、上陸してからのことだ。」
グリーンの言葉に、レッドとイミテの表情が真剣なものになった。
「(空気が…変わった。)」
雰囲気も一瞬で張りつめたものになり、会話を聞いていたゴールドも思わずゴクリと息をのむ。
これはきっと、明日はそのぐらい真剣な心持ちで挑まなければいけないのだということを表している。
「到着は明日の昼過ぎ。島の北側に停泊所があるらしい。」
「広いのか?グレンタウンって。」
「それほど大きくはない。その島全体のことはグレン島と呼ばれていて、グレンタウン自体は島の10分の1程度の大きさだ。」
「仮面の男はさらった子ども達を連れてるから…町の宿泊施設には泊まらないだろうね。」
「となると、探すのはグレンタウン以外の島全体…か。」
「そこが問題だ。全員で移動すると目立ち、相手にも気づかれやすい。」
そう言ってグリーンは手にしていた紙を広げる。
グレン島の地図だ。
「船が停まるのがここ、北だ。ここから南、東、西の3方向に手分けして探すのが一番だと思うんだが。」
「シルバーも動けると考えると…全部で7人だよな。2人、2人、3人か。」
「いいんじゃない?偵察には無難な人数だと思う。」
「でも…」とイミテが続けた。
「ブルーとシルバーは同じチームにはならないようにバラけさせたほうが良い。」
イミテは今日の昼間もチラッと言っていた、ブルー達が仮面の男を前に冷静さを失う可能性を考えているのだろう。
「じゃあそれは考慮するとして…、俺達3人もバラけたほうがいいな。」
「…たしかに、な。」
レッドの言葉にグリーンも頷いた。
その方が何かあったときにそれぞれが即座に対応できるし、何よりも安心感がある。
「レッドはイエローと組め。」
「イエローと?」
「怪我を負ったとき、何より優先して回復すべきなのはお前だ。」
仮面の男が氷の能力者ならば最も対抗できるのは、レッドの炎の能力なのだから。
「まあ…そうだな。俺とイエローは決定で、」
「あ、シルバーの闇の能力は彼自身傷つくから…できれば3人のとこのが良いね。」
「だったら、イミテとシルバーは一緒のがいいんじゃないか?」
「え?」
「イミテ、さっきもシルバーと話ししてたんだろ?何かあったとき上手く止められそうだし。」
「…うん。私的にもシルバーのこと見ておきたいし、それがいいな。」
イミテの言葉を聞きながら、ゴールドはやっぱり彼女は面倒みがいいな…と改めて思った。
と同時に、サクサクと話が決まっていく様子を見て、自分は知らないうちにこうして彼らに守られていたのだと思うと…なんだか少し、やるせない気持ちになる。
「必然的に、グリーンとブルー、イミテとシルバーとゴールドっていう振り分けだな。」
「大丈夫なのか?アイツらを一緒にして。」
「アイツらって、ゴールドとシルバー?」
「ああ。顔を合わせる度に衝突してるだろう。」
「大丈夫。もしかしたら私よりもゴールドのほうが上手くシルバーを止めてくれるかもしれないしね。」
グリーンの心配をよそに、イミテは笑って言った。
まさかそんなことを言われると思っていなくて、ゴールドも驚いて目を見開く。
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