18 真実へと続く階段
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どこ行ったの…?」
クリスはキョロキョロと辺りを見回す。
必死でついてきたはずなのに、ゴールドの姿がなくなってしまった。
やはり、男女では体力の差があるからだろうか?
すると、階段の上からパンパンという音が聞こえた。
ゴールドが両手をあわせ、慣らしていたのだ。
「鬼さんこちら、手の鳴る方へ!」
完全に遊ばれていることに、クリスはムッとした表情になった。
「ほらほら、早くしないとおいてくぞ!」
ゴールドがまたかけだしたため、クリスも必然的に後を追いかける。
そんなことが何回か続いて、ついに彼らは最上階へとたどり着いた。
「はあ、はあ…。もう逃げ場はないわよ!」
「そうみてーだな。」
クリスは札を、ゴールドは棍棒を構えてそれぞれ向き合う。
「悪いけど、アナタにはここで死んでもらうわ!」
そう言うとクリスはビュッと勢いよく札をとばした。
ゴールドはひょいっ、とそれを容易くかわす。
「へへ、こんなん目えつぶってても避けられるぜ!」
ゴールドが余裕の表情をうかべていると、後ろからヒュッという音が聞こえた。
「!?」
慌てて棍棒を振り、自分の周りに電気をまとわりつかせ、振り返った。
するとジュッという音をたてて、床に落ちたのは、端がこげた札だった。
「さっき避けたはずなのに…!お前、何者だよ!」
「……私も、アナタと同じ能力者よ。」
「能力者…。うすうす気づいてたけど、やっぱりな。」
ゴールドはチッと舌打ちをしながら棍棒を構える。
「何の能力だか知らねーが、ようするにその札に当たらなきゃいいんだろ!札がなくなるまで、全部避けきってやるよ!」
「そんなの無理よ。だって……、」
クリスは札を構え、3枚同時にとばした。
ゴールドは札の動きを見極めようと、ジッと集中してそれを見る。
すると1枚は真っ直ぐとんできたものの、残りの2枚は彼の左右から向かってきた。
明らかに、普通の札では考えられない動きだ。
「な…!?」
驚きながらもゴールドは、また電気をつくり、その熱で札を焼き尽くした。
「だって、…私は、風の能力者だから。」
「風!?」
ビュウっと、風の音がして、パラパラと数十枚の札がクリスの回りを飛び回る。
「そうよ。そのおかげでこの札は自由自在に動かせる。だから、アナタが操られるのも時間の問題。」
「くそ!」
ゴールドは棍棒からクリスに向けて一直線に電気を発した。
しかし、バチっという音をたてて、その軌道はそれてしまう。
「!」
「言ったでしょ?私の能力は風。札からは微量の風がまとわりついていて、空気の流れを変えているの。だから、アナタの攻撃は効かない。」
「なるほど。…さすがイミテ先輩。確かに、ただの札じゃないってワケか。」
ゴールドはイミテが言っていたことを思い出し、そこまで見極めていた彼女を改めて感心した。
それと同時に困ったように苦笑する。
「分かったら大人しく…」
「そりゃあできねえなあ。お前、俺がただ逃げようとしてここに来たと思ってんのか?」
「え…?」
「ここにくる途中に、もしもの時のための対策はたててあるんだよ!」
ゴールドはそう言うと、ぶん、と棍棒を振りかざした。
するとバチバチと眩い光を発する電気がおきて…、
「きゃああ!」
クリスの元へと届いた。
彼女は全身がしびれてしまったようで、がくりとその場に倒れる。
.