18 真実へと続く階段
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シオンタワーはかなり近く、少し歩いただけで着いた。
廃れた感じにそびえ立つその建物は、この町の不気味さを引き立てている。
そんなタワーの裏側の死角となるところに座り込んでいたのは、フード付きの黒いマントをかぶった1人の少年。
「こいつがシルバーッスか?」
先陣をきって進んでいたゴールドが彼に近寄り、顔をのぞきこむ。
「目つぶって寝てるッスよ?だらしねーやつだなー。」
「あ、ゴールド。それきっと寝てるんじゃなくて…」
「起きている。」
ブルーの言葉を遮って、シルバーはパチリと目を開けた。
そしてギロッとゴールドを睨みつける。
「な、なんだよ!;」
「目をつむった方が、他の感覚器が優れるんだ。それぐらい知っとけ。爆発頭め。」
「なんだと!喧嘩うってんのか、てめー!」
「2人とも落ち着いてください!」
喧嘩を始めた2人をイエローが慌てて止めにかかる。
「あらあら。あの2人、性格合わないみたいね。」
「まるで正反対だもんな。」
ブルーとレッドの会話を聞き、イミテは笑みをうかべて言った。
「私は案外いい友達になると思うけど?」
「えー。そうか?」
「レッドとグリーンもそうだったから。最初喧嘩ばっかりしてたじゃん。」
「ああ…、確かに。」
イミテの言葉にレッドは思い出したように苦笑する。
「だからゴールドとシルバーもきっといい友達になるよ。」
イミテがいまだに喧嘩をしている2人を見て言う。
すると彼らは躍起になって、
「「何でこんな奴なんかと!」」
と、口をそろえて言った。
「はは。息ぴったりだな。」
「「……!」」
レッドが言うと、ゴールドとシルバーはお互いに顔を見合わせ、ふい、と反対方向に顔を背けた。
「シルバー。」
ブルーが名前を呼ぶと、シルバーは荷物を持って彼女の隣に並ぶ。
「じゃあ、あたし達はもう行くわね。」
「え、もう!?少し休んでから行けば?シルバーも疲れてるみたいだし。」
「そうしたいんだけど、この町にはずいぶん長居しちゃったから結構怪しまれてるのよ。宿の人も疑ってるみたいだし…。」
ブルーははあ、と深いため息をつく。
「何かあったのか?」
「…怪しんだ宿の女将がね、あたし達がいない間に部屋に入って荷物をあさってたのよ!」
「えっ!?そんなことする人いるんですか!?」
「あたしも驚いたわ。逆にゆすってやったけどね。『バラされたくなかったら何すればいいか分かるわよねえ?』って。」
ブルーはオホホ!と高らかに笑った。
「それはちょっと…女将さんに同情しちゃうね。」
「相手が悪かったな。」
「女って怖いッスね。」
「聞こえてんのよ。」
小声で繰り広げられている会話を、ブルーは睨んで止める。
「あー、ブルー!ゴールドが仮面の男についての噂、聞いたみたいなんだ!」
「え…ほんと!?」
「はい!この前言いそびれちゃったんスけど、仮面をかぶった男が北に行くのを見たやつがいるって!」
ゴールドが得意げに答えれば、ブルーは顔をしかめた。
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