17 風に誘われた香り
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数時間後、教会を見終わってホテルに着いたレッド達。
ロビーにはイミテとグリーンが向かい合って座っていて雑談しているようだった。
「イミテさん!」
イエローがトコトコとイミテに駆け寄る。
「あ、おかえり。楽しかった?」
「はい!窓とかドアとか、すごくキレイで幻想的でした!」
そう言った後、イエローは「あ」と口をつむいだ。
そう言えば数時間前にグリーンに自分の考えを否定されたばかりだ、と。
グリーンの様子を伺うように視線をおくれば、彼と目が合い思わず目をそらしてしまった。
彼は眉間にシワをよせながらも、レッドのほうを見る。
「2人部屋を3部屋とった。イミテとイエロー、レッドとゴールド。これでいいか?」
「ずっりい!何でグリーン先輩だけ1人なんスか!」
「寝るときぐらい静かに寝たい。お前と一緒だなんてうるさすぎて適わないからな。」
「ひっでえ言いようッスね!」
ゴールドは拗ねてぷいっとそっぽを向く。
「3人部屋はなかったのか?」
「あいにく満室だ。」
「ふーん。まあ俺はその組み合わせでいいぜ?」
「そうか。」
グリーンはレッドに鍵を手渡す。
「よし、ゴールド。行くぞ。」
「ちょ…レッド先輩!」
レッドはスタスタと歩き出し、ゴールドは慌てて後をついて行った。
「俺はそんなに騒がしくねーっつーの!」
部屋に着くなり、ゴールドはグリーンに対する不満をぶちまけた。
レッドはそれに対して「今、じゅうぶん騒がしいけどな…」と小声でつぶやき苦笑する。
「それにレッド先輩!グリーン先輩に甘すぎッスよ!」
「ん?」
「ああやってすぐ許しちゃうからつけあがるんスよっ!」
ゴールドはその場にドカッとあぐらをかく。
「ゴールド、俺と一緒の部屋じゃ嫌だったのか?」
「いや、そーゆー意味で言ったんじゃなくて…、」
「じゃあもう言うな。な?」
「……。」
レッドがあまりに無邪気にすがすがしく笑うもんだから、ゴールドは反抗できなくなった。
「それに俺はグリーンに甘いワケじゃない。ゴールドと話ししたかったから了解しただけだ。」
ニコッと笑うレッド。
何だかレッドはもう自分のことを仲間と認めてくれている気がして、ゴールドは恥ずかしいような照れくさいような気持ちになって、
「そうッスか…、」と顔をそらした。
「さて、と。ゴールド、風呂入るか?ここ大浴場があるらしいぜ。」
「えー俺はいいッスよ。めんどくさいし。」
「風呂入らないのか?今日修行したから汗かいただろ?」
「平気ッスよ、1日ぐらい。盗賊だった時は3日に1回入ればいいほうだったし。」
「……ゴールド。そんな考えだとイミテにものすごい軽蔑した目で見られるぞ?」
「イミテ先輩に?」
ゴールドは思わず聞き返す。
「イミテはキレイ好きだから、そういうことには敏感だぞ。」
「えっ?でもレッド先輩達だって旅してたんなら風呂入れない時だってあったでしょ?」
「いや。俺の火の能力で川の水とかあっためて簡易風呂みたいな感じにして入ってた。」
「めんどくさいことしますねー。」
ゴールドはレッドの言葉に目を見開いていた。
「今では慣れたけどな。ま、とにかくゴールドも早く慣れないと………痛い目みるぞ。」
レッドが説得力あふれる表情でそう言った。
「(レッド先輩、何かされたんだ…!)」
ゴールドは本能的に何かを感じ取り冷や汗をかく。
「じゃ、じゃあ夕飯食べてから入るッス…。」
「おう。俺先行くな。」
パタンと扉がしばり、ゴールドはふうーと息をはく。
「やってけるかな、俺。」
彼は今後の旅を予想してため息をついた。
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