17 風に誘われた香り
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「それよりブルー。シルバーは?」
イミテの言葉にゴールドが首を傾げる。
「シルバーって誰ッスか?」
「あー…。仲間だよ。闇の能力者なの。」
「へー…。というかそんなに仲間いたんスか!次から次へと出てくるッスね。」
「あはは。これで最後だから安心して。……で、ブルー。どうなの?」
イミテは再びブルーに視線を戻す。
「シルバーは今、別の町にいるわ。……見張りをしてもらってるの。」
「見張り…?」
レッドが繰り返せばブルーはコクリと頷く。
「サカキの手下のナツメの見張りよ。」
その言葉に彼ら4人は顔を見合わせた。
そして、その反応にブルーも驚いた表情をする。
「まさかアンタ達…知ってるの!?」
「ああ。昨日会った。グリーンが操られて……」
レッドは手短に昨日起きた出来事をブルーに話した。
「ふーん。そんなことがあったのね。グリーン、アンタ情けないわねー!」
ブルーが高らかに笑えば、グリーンの眉はぴくりと動き途端にしかめっ面になる。
「僕、ブルーさんなら盗聴器で聞いて、とっくに状況を知ってると思ってました。」
「盗聴器…?」
ゴールドがまた不思議な顔をする。
「実際は発信機なんだけどな。ブルーが作ったやつでどの辺にいるか把握すりために渡されたんだ。」
「ブルー先輩、すげー!そんなの作れるんスか!」
「ええ。それぐらいちょちょいのちょいでできるわ。」
にっこりと笑うブルー。
しかし何かを思い出したように、彼女は「あー!」声をあげた。
「そーよ!盗聴器…じゃない発信機!今持ってるの誰!?」
「え、何で?」
「いいから!」
不思議に思いながらも彼らは記憶をたどる。
発信機は盗聴器の機能が嫌で誰も持ちたがらなかったため、何日か交替で回していたのだ。
「僕はレッドさんに渡しましたよ。」
「俺もグリーンに回したぜ。」
「俺もだ。」
「私もイエローに…」
イミテは言いかけて、ピタッと止まった。
「……回してないや。」
「イミテー!犯人はアンタね!発信機、どこにやったのよ!?」
「犯人って…。回すの忘れただけで、ちゃんと持って……あれ、ない。」
ガサゴソとポケットをさぐるイミテ。
だが一向に発信機はない。
「なくしたのね、アンタ!」
「いつもここに入れてるんだけど…。」
「あ!イミテ!前、崖から落ちた時に落としたんじゃねーの?」
「あ…そういえば、それぐらいから触った記憶がない。」
「落としたですって~?」
わなわなと怒りで震えるブルー。
「まったく!どおりで突然通信が途絶えるわけだわ。心配したんだからね。確かめようにもアンタ達がどこにいるか検討もつかないし…今回見つけられたのも運がよかったからなんだから!」
「ごめん。不可抗力だから許して。これから気をつける。」
悪びれた様子もなくサラリと言うイミテを見てブルーは怒る気もうせ、はあっとため息をついた。
「じゃあ、はい。これ、新しい発信機。」
「予備あったんだ…。…はい、ゴールド。」
ブルーからそれを受け取ったイミテは、そのままそれをゴールドに渡した。
「俺ッスか!?盗聴器つきなんでしょ?いらないッス!」
「あれ?今まで見たことないぐらいすごく美人なブルーの作ったものいらないのゴールド?」
「……ずりいッスよ、イミテ先輩。」
「あはは。ドンマイ。」
不敵な笑みをうかべたイミテに、ゴールドは「余計なこと言わなきゃよかった…」と呟いて発信機を受け取った。
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