17 風に誘われた香り
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カキンッと一度金属同士がぶつかりあう大きな音がして、2人はサッと後ろに下がって距離をとる。
休む間もグリーンが地面に刀を突き刺した。
するとゴゴゴという地響きが聞こえて、大地が激しく揺れる。
そしてガガッという音とともにレッドのいる地面が地割れをおこす。
そのせいで彼は足をもたつかせバランスをたもてなくなり、思わずその場に片膝をついた。
「勝負ありだな。」
その隙にグリーンがレッドに近づいて刀を向けると、
「そんなに近づいていいのか?」
レッドはニッと笑う。
グリーンが慌てて避けようとするがすでに遅く、レッドが力をこめて剣を握った。
するとボッとものすごい火力の炎が燃え盛り、彼らの周りを囲む。
「くっ……!」
「わざとやられたふりしたんだ!」
へへっと笑いレッドは立ちあがる。
「すげー…やっぱ能力っていいッスね!」
様子を見ていたゴールドも両手を拳にしてはしゃいでいる。
が、その隣のイミテはうかない表情。
「どうかしたんですか、イミテさん?」
「うーん…、レッド、今すごい威力の炎だしたでしょ?」
「はい。」
「どうやって消すのかなー…って思って。」
「「あ……」」
ここは草原。
レッドのだした炎は瞬く間に燃え広がり、草を焼き尽くしている。
このままでは最悪家事になりかねない。
「まあ、なんとかするだろうけどね。」
「そうですよ!対策の1つや2つぐらい…」
「やべえ!グリーン!火消す方法考えてなかった!」
「「「………。」」」
聞こえてきたレッドのまさかの発言に一同は沈黙する。
「バカか、お前は!」
「はは。熱中しすぎて、つい。」
「レッド!どうすんの!?こっちまで炎きたんだけど!?」
すでに数メートル離れたイミテ達の方まで炎は広がってきていた。
「やべ…!」
「仕方ない。地面を崩して炎を止める。」
やむを得ず、グリーンが剣を構えたそのとき…、
ザバア!という音とともにどこからか水がふってきた。
「えぇえ!?」
唖然とするレッド。
瞬く間に炎は消えた。
「全く。相変わらず考えなしに行動してるみたいね。あんた達は。」
水がひいて、トンと地面に降りたったのは、栗色の髪の持ち主。
「ブルー…!」
「ブルーさん!」
イミテとイエローが驚きながらも彼女に駆け寄る。
「感謝しなさいよ。あのままだったら火事になってたわよ、絶対。」
どうやら炎を消したのはブルーの水の能力らしい。
ブルーの手には彼女の能力の媒介である、鈴のついた仏具が握られていた。
「え……どこから水だしたの?」
「近くに湖があったの。」
水の能力は水を作り出すのではなく、ただ水を操るだけなのだ。
故に近くに水場がないところではあまり役に立たない。
「ありがとな、ブルー。」
レッドもほっとした表情で彼女に近づこうとした。
しかし彼の体はぐるん、と180度回転する。
理由はゴールドが彼の腕をひっぱったから。
「レッド先輩!誰ッスか?この美人なお姉さん!」
そう耳打ちしたゴールド。
しかし彼の声は大きく、周りに丸聞こえである。
「オホホ。正直な子ね、アンタ。レッド、この子誰?」
「ああ。ゴールドって言うんだ。昨日、新しく仲間になった。」
「あら!よろしくね、ゴールド。あたしはブルーよ。」
特に戸惑う様子もなく、すんなりと受け入れるブルーはさすがと言ったところだろうか。
「ブルー先輩ッスか!俺、こんな美人さん初めて見たッス!」
「ありがとう。よく言われるわ。」
ゴールドの口説き文句らしきものをサラリと返すブルー。
「……。慣れてるッスね。男のあしらい方。」
「まーね♪あたしを口説こうったって100年早いのよ。」
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