17 風に誘われた香り
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「や、やめるか。シオンタウン行くの。」
「じ、情報なら、他の町で集めればいいことですしね!」
2人はすっかり怯えているようだ。
が、
「バカか。」
グリーンは平然とつぶやいた。
「シオンタウンに行く予定は変えない。だが、ここから北西に行ったところに町があるらしいから、まずそこに向かう。それからシオンタウンに行くぞ。」
出発する、準備しろ。
そう言ってグリーンは立ち上がり外にでた。
「マジで行くんスか…。」
「ゴ、ゴールドさん…、さっきの話し本当なんですか…?」
「本当ッスよ。何人もの旅人が噂してるんスから。…幽霊の仕業だって。」
「お、おい、ゴールド!冗談言うなよなー。幽霊なんているわけないだろ!」
「そーゆーレッド先輩が一番びびってるッスよ?」
ゴールドがニヤリと笑うと、レッドはムッとした表情で言った。
「んなわけないだろ!俺、幽霊信じてないし!」
「本当ッスか?」
「あ、当たり前だ!」
そんなことを言いながら、レッドの視線は明後日の方向を向いている。
分かりやすいな、と思いながらゴールドがプッと軽く笑えば、「笑うな!」とすねるレッド。
「イミテさんは、怖くないんですか?幽霊とか。」
弓を背負い、準備を整えているイミテにイエローがたずねる。
すると彼女は苦笑いをうかべ「うん。信じてないから、そういうの。」と平然と返した。
「イエローは苦手なの?」
「はい…。墓地とかも嫌いです。あの雰囲気が怖くて。」
「そっか。イエローらしいね。可愛い。」
「ええ…!//」
予想外のイミテの反応にイエローは少し照れながら戸惑う。
「……私は幽霊なんかより、……何より怖いものが別にあるんだ。」
ふいにイミテがそう言って、イエローは「何ですか?」と首を傾げる。
レッドとゴールドも彼女の言葉に注目する。
「………人間。」
彼女は言った。
人間より怖いものはない、と―………。
歩き始めて数時間。
1つの町に着いた。
「案外あっさり着いたな。」
「盗賊にも会わなかったし、ラッキーでしたねっ。」
あまりにすんなり着いたのと、久々の町に一同のテンションは上がる。
「ゴールド。この町はどんなとこなの?」
「ここは観光地として有名な町で、宿とか土産がたくさんあるんスよ。」
イミテの問いに、ゴールドは得意気に答える。
「すごいですね、ゴールドさん!」
「そりゃあ情報ならいろいろ入ってきますからね!名のしれた盗賊ッスから!」
鼻をこすってへへっ、と笑う彼。
どうやら誉められると調子にのるタイプらしい。
「まず宿とる?」
「いや。これだけあれば後でも大丈夫だろ。」
言うとおり、ここはかなり栄えているようで、宿があって数十メートルも離れていない場所にまた宿があるほど。
「まず場所移動して、修行しようぜ。」
「!よっ、待ってました!」
それを聞いたゴールドが不可解な茶々を入れる。
「お。ゴールド、やる気だな。」
「早く、実践でこの能力使いこなせるようになりたいッスからね!」
ゴールドが雷の能力を使ったのはグリーンと戦ったときのみ。
まだまだ、雷の能力の本質は分かっていない。
それを知り、極め、そして確実に自分のものにすることで、新たな力が手に入る。
ゴールドはそれを楽しみにしていた。
「たしかに俺も雷でどんなことができるのか見てみてーな。」
「僕もです!やっぱり相手を痺れさせたりできるんでしょうか?」
キラキラと目を輝かせるイエロー。
そんな彼女の尊敬の眼差しをうけて、ゴールドはさらに上機嫌になる。
すると、彼はスゥッと大きく息を吸って……、
「やるぞー!!」
その意志の強さを示すように思いっきり叫んだ。
ゴールドがグリーンに「うるさい。」と頭をベシッと叩かれるたのは、その数秒後のこと。
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