17 風に誘われた香り
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「……好きにしろ。」
グリーンがぶっきらぼうにそう言うと、
「よっしゃあああ!!」
ゴールドはガッツポーズをしながら雄叫びをあげた。
「やったあ!イミテさん!仲間が増えましたね!」
「そうだね。」
イエローも嬉しさを隠しきれない様子で話しかけるが、イミテは特にはしゃぐ様子もなく穏やかな表情を浮かべるのみ。
「何かイミテさん、普通ですね…?」
「へ…?」
「え…、イミテ先輩、俺のこと歓迎してくれないんスか!?ひどいッスよ!」
焦るゴールドにイミテはキョトンとした表情をうかべ、次の瞬間ふきだした。
「ぷ…はは!違う違う。ゴールドが仲間になってくれたのはもちろん嬉しいよ。」
にっこりと笑うイミテ。
「じゃあ何で普通の反応なんスか!傷つくッス!」
「いやー、こうなること予想してたからさ。」
「え?」
「たしかに。グリーンが断るわけないもんな。いい奴だから。」
レッドがニッと笑ってグリーンの方を見れば、「うるさい奴らだ。」と彼はつぶやく。
「グリーン先輩って見かけによらず優しいんスね。」
「……黙れ。」
チッと舌打ちをしたグリーンは、改めてレッドを見る。
「それで、俺を操った奴はサカキの手下と言ったのか?」
「ああ。確か1人はナツメって言ってた。マチスとかキョウと同じ三幹部だって。」
「あ。あともう1人、その仲間の女の子がいて、札を使ってたよ。」
「札だと……?」
「グリーンが操られてる時も背中にそれがついてて…、札が消えたら治まってた。」
イミテの言葉を聞いてグリーンは考えこむ。
「…だったら、前に弓が不自然な動きをしたのも関係してるかもしれないな。」
「あー…確かに。可能性は高いな。」
「どちらにしてもまたあの子とは戦うはめになりそうッスね。」
ゴールドはいまだにポケットの中に入っている少女が落としていったイヤリングを握りしめた。
あの時に少女が見せたすがりつくような瞳が、頭から離れなくて、ずっと気になっていたのだ。
あわよくば、ちゃんと話をしてみたい―……
彼はそう思っていた。
「だとしたら今のままだと太刀打ちできない。もっと修行する必要があるな。」
「それを言うならグリーンさんもッスよ。…ただ操られてただけのくせに。」
「ゴールド。」
口をとがらせながら軽く嫌みを言ったゴールドを、イミテは眉をしかめながら咎めた。
しかし、
「……そのつもりだ。」
グリーンは意外にもそれを真っ正面から受け止めた。
皆驚いて彼に視線を向ける。
「俺は、もっと強くなる必要がある……、」
彼は小さくつぶやいた。
まるでそれは自分自身に言い聞かせたようで。
「グリーンさん…?」
不自然に思ったイエローが首を傾げて尋ねる。
「とにかくこれからは修行を主にして、旅の構成を決めるぞ。いいな?」
「は、はい…。」
イエローが慌てて返事をすれば、他の皆も頷いた。
「そういえば、グリーン。ゴールドが仮面の男について聞いたことあるって言ってたぜ。」
「仮面の男…。!ブルーが探してる奴か?」
「ああ。そういえばまだ詳しく聞いてなかったな。ゴールド、今そいつがどこにいるか分かるか?」
「数週間前に聞いた話しだから確かどうかは分からないけど…北に向かったって言ってたッス。」
「北……か。」
「じゃあちょうどいいですね。シオンタウンもここから北にありますし!」
イエローが両手をあわせてパアっと明るい顔になる。
しかしそれを聞いたゴールドは目を見開いてびっくりしていた。
「シオンタウンに行くつもりなんスか!?」
「サカキの情報を集めるためにな。」
「やめたほうがいいッスよ。あの町は呪われてるんス。」
「え……?」
「何百人もの旅人が、シオンタウンに行ったばかりに……帰らぬ人になったそうッス。」
ゴールドのその恐々とした口調に、レッドとイエローはゴクリと喉をならす。
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