16 理由は単純、君だから
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ガラガラと音をたてながら小屋は崩れていった。
その中をさっそうと歩くのは……グリーン。
「ずいぶんと派手なおでましだね。」
「グリーンにはあんまり似合わないけどな。」
レッドはフッと笑い、グリーンがこちらに向かって走ってくると同時に、地を蹴った。
そして剣を勢いよくふる。
剣からは炎の塊がとび、辺りの草をたちまち焼き尽くした。
これで、少しは戦いやすくなるはずだ。
一方、イミテは弓を構えイエローとゴールドの丁度中間あたりに放った。
すると矢から出た蔓がドーム上になって2人を覆う。
「イミテさん、これは…?」
「蔓のバリアみたいなもんだよ。強度は高いから安心して。まあ…炎には弱いのが欠点だけど。」
彼女はそう苦笑しながら、グリーンのいる方に向かって歩き出そうとした。
が……、
「ちょっと待ってください!なんで俺もこん中なんスか!?」
「その中のが安全でしょ?」
「俺も戦えるッスよ!手伝います!」
「ごめん、嬉しいけど巻き込みたくないの。」
イミテはにっこり笑ってひらひらと手をふると、レッドに加勢するため走っていった。
「レッド!」
イミテが駆けつけると、レッドはグリーンと剣を交えて押し合っているところだった。
「イミテ!何か変なところがないか見てくれ!」
「うん!」
イミテはぐるりと円を描くようにグリーンの背後にまわった。
そして、彼の背中にゆらゆらと風になびく、不信なものを見つけた。
それは、1枚の紙。
よく見ると見慣れない文字と、複雑な図形が描かれていた。
「(なにかのお札…?)レッド!グリーンの背中に…」
イミテがその事を伝えようと口を開いたと同時に、グリーンはサッと一歩下がりレッドとの戦いを放棄すると、凄まじい勢いでイミテの方へと向かってきた。
「っ…!」
イミテがとっさに地面に向かって矢を放つと、グリーンとの間に蔓による仕切りができる。
まさに間一髪でグリーンの攻撃を防げた。
しかし瞬間的に作ったものなので強度は弱く、ボロボロとあっという間に崩れ落ちる。
「!」
グリーンが自分に背中を向けたため、さっきイミテが気づいたお札のようなものをレッドも見つけた。
それを取ろうと、彼はゆっくり近づくが…。
「………。」
グリーンが無言のままイミテの首筋に刀を当てていたため、身動きがとれなくなる。
「グリーン!しっかりしてよ!」
思わずイミテが彼を睨みつけながら言う。
するとグリーンは「う…」と軽くうめいて、
「光の…能力者、は……どこだ…」
途切れ途切れに、そう呟いた。
「なんで…、」
「…言え、」
グリーンの刀の力が強くなる。
「いっ…!」
ひんやりとした刃先が少し食い込んで、途端に熱い痛みがイミテを襲った。
「ぼ、僕です!光の能力者は!だから、イミテさんから離れてください!」
イエローが蔓をつかみながら必死に、食らいつくように叫んだ。
ギロリ、とグリーンの視線がそっちに向き、彼はゆっくり歩き出す。
「イミテ、平気か!?」
「なんとか。」
「よかった…。」
すぐにイミテに駆け寄ったレッドはほっと胸をなで下ろす。
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