16 理由は単純、君だから
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ふと、ゴールドは昨夜のことを思い出した。
「!すいません、イミテ先輩!俺、昨日誤解して先輩に攻撃して……」
「もういいよ。」
「いや、でも…」
「ゴールド。何があったか知らないけど、イミテがいいって言ってるんだからそれでいいじゃんか。」
レッドが近づいてきてゴールドの頭をポンッと撫でた。
「さっきは助けてくれてありがとな。」
二カッと笑ったレッド。
お礼を言われて、ゴールドはなんだか急に気恥ずかしくなった。
感謝されるのは嫌な気分はしないが、どことなくくすぐったい。
「それにしても…」と、レッドが視線をグリーンに向けた。
「グリーンさん…どうしたんでしょう…。」
レッドの言葉に続けるようにイエローが心配そうにまゆをよせながら言った。
今グリーンはさきほどの殺気は全く感じられず、うなだれたようになっていた。
意識がないのだろうか?
それとも油断させる作戦か…?
どちらにせよイミテの蔓によって、グリーンがまた襲いかかってくることはない。
「もうしばらく様子を見よう。」
レッドの言葉に皆頷いた。
そして、
「あの…グリーンさん、誰かに操られてましたよね?」
イエローが少しおずおずとした様子で話し始めた。
「ああ。おまけに意識までのっとられたみたいだな。」
「え…?何でそんなことが分かるんスか?」
「あ、そっか。ゴールド知らないもんね。」
イミテはどこから説明しようかと少し考えて、またゴールドに向き直った。
「私の緑の能力はね、矢から蔓がでて自由に操れるの。」
「…?」
「矢がどこに刺さってもそこから蔓がだせる。…つまり、人質なんて無意味ってこと。」
蔓によってどんな場所からも攻撃できるため、イミテの能力の前で人質をとっても通用しないのだ。
「グリーンとは一緒に旅してたワケだから、私の能力の性質も分かってるハズなの。でも、さっきゴールドを人質にとった。」
「…なるほど。だから操られてた可能性が高いってことッスか…。」
「うん。」
「でもどうやって操ったんでしょうか?」
「グリーンの周りに特に怪しい奴もいなかったしな…。」
皆、うーんと考えこむ。
「あれ…?レッド先輩?」
「どうした?ゴールド?何か分かったのか!?」
「いえ、全く。」
「……。」
期待して損した、と思っているのだろう、途端にレッドはむすっとした表情になる。
「あの、話し全く変わるんスけど、肩の傷…どうしたんスか?」
さっきグリーンに切られたレッドの肩。
血がでていたはずなのに今は止まっていて、さらには傷口までなくなっていた。
「ああ、これか。ゴールドとイミテが話してる間にイエローに治してもらったんだ。」
「イエロー先輩、に…?」
確かにイエローは治癒専門と言っていたが…こんな短時間で傷口がふさがるものなのか?
ゴールドはうなりながら首をかしげた。
「ゴールドさん、僕も能力者なんです。光の。傷を癒やすことができるんですよ。」
「イエロー先輩もだったんスか!?」
「ついでに俺が炎で、グリーンが大地。皆、能力者だぜ?」
「ええ!?」
ゴールドは驚きを隠せない様子。
それもそのはず、世界でも指折り数えられるぐらいしかいない能力者が、今自分の目の前に4人もいるのだ。
「す、すごい集まりッスねー…。」
「はは、まあな。」
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