16 理由は単純、君だから
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それを見て優しく笑うと「ゴールド!」と、レッドは名前を呼んだ。
「な、なんスか…?」
この状況についていけず唖然としていたであろう彼は、少し戸惑いながらも返事をする。
「イミテが部屋に戻ってる間、イエローのこと守ってくれ!」
「は!?…な、何で俺が…」
「頼む!」
必死な様子のレッド。
彼にイエローのことまで配慮しながらグリーンと戦える自信はなかった。
「……無理ッスよ。そもそも棍棒ねえから戦えねえし…。」
「ゴールド!」
イミテが棍棒を取り出し、ゴールドに軽く投げ渡した。
どうやら部屋の隅の死角となるところに立てかけておいたらしい。
「…いいんスか?こんなにあっさり返しちゃって。」
「うん。」
「……イミテ先輩のこと信じた訳じゃないんスから、また襲うかもしれませんよ?」
ゴールドがそう言ってニヤリと笑うと、
「お好きにどうぞ。悪いけど、今はそこまで考えてる余裕ないんだ。」
それに対抗するかのようにイミテもにっこりと笑った。
「ゴールド、信じてるからな!」
そう言い放つとレッドは駆け出し、イミテもすぐさま後に続いた。
それに反応したグリーンは、行かせまいと2人の前に立ちはだかる。
カキンという音とともに、レッドが再びグリーンと剣を交えた。
「頼んだぞ!」
「うん!」
イミテはその横をすりぬけ部屋を出て行く。
「よし…、く…!」
ほっとしたのもつかの間、グッとグリーンの剣を押す力が強くなる。
レッドもギリギリのところでそれを押し返し、力任せの攻防戦が続く。
「う…わ…!」
グリーンが一瞬の隙をついて力いっぱい刀をふれば、レッドの剣は勢いよく弾きとばされた。
レッドは身を引いたが間に合わず、剣が肩をかすめた。
服にうっすらと赤い血がにじむ。
やはりレッドよりグリーンのが一枚上手だ。
「レッドさん!」
思わず駆け寄ろうとしたイエローを、ゴールドが棍棒を彼女の前に出して制止した。
「今イエロー先輩がでてってもまきぞえくらうだけッスよ!」
「分かってます!」
「じゃあここにいてください!わざわざ怪我をしにいくようなもんッスよ!」
「だからってこのままってワケにもいかないでしょう!?」
イエローとゴールドが言い争ってる間に、無防備なレッドにとどめをさそうとグリーンが刀をふりあげた。
「……!」
その絶対絶命な状況を目の当たりにして、ゴールドの体は自然と動いていた。
カキン、と今度は剣より少し低い金属音が響く。
「あっぶねー…!」
ゴールドが棍棒で剣を受け止めていたのだ。
「ゴールド、お前…」
「くっ…!何してるんスか!早く逃げてください!」
「でも、」
「レッドさん!」
ゴールドがグリーンの相手をしている間に、イエローがレッドの手を引き部屋の隅まで連れて行く。
「この…!」
ゴールドは必死になってグリーンの攻撃に耐えていたが、彼の剣術にはかなわず、ついにその剣で棍棒をとばされてしまった。
今度はゴールドが絶対絶命の状況。
「ゴールド!っ…!」
レッドは駆け寄ろうとしたが、左肩の痛みにその場にうずくまる。
グリーンが切っ先をゴールドに向けた直後、
「動かないで!」
勢いのある声が、部屋に響いた。
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