15 裏切りの傷跡
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………眩しい。
そう思って目を開けると、窓から差し込んだ光がちょうど自分の顔を照らしていた。
「(ここ、は…?)」
ゆっくりと体を起こし、辺りを見回したゴールド。
「……っ!」
しばらくして一気に昨日のことを思い出したようで、棍棒を探す。
しかしどこにもない。
「くそ……!」
ゴールドは慌ててリビングへと向かった。
バン!と勢いよく扉を開ければ、そこにいたレッド、イミテ、イエローの視線が一気にこっちに向いた。
「おい!俺の棍棒…、」
騒ぐゴールドに近づくイミテ。
彼女はゴールドの目の前まで止まると、彼にしか聞こえないように小さく呟いた。
「棍棒は隠させてもらったよ。そうでもしないとゴールド、話し聞いてくれないでしょう?」
「な……!」
「……食事がすんだら、全部話す。」
「!」
イミテはゴールドに穏やかな笑みを向け、席に戻った。
「どうかしたんですか?」
イエローが不思議に思い、二人に声をかける。
「ううん、何でもない。イエロー、ゴールドの分の食事も用意してくれる?」
「はい!」
イエローは元気よく返事をして、パンを切り分けていく。
ゴールドが呆然としていると、レッドが声をかけてきた。
「おはよう、ゴールド。昨日は眠れたか?ここ座れよ。」
「あ、はい……。」
ゴールドは言われるがまま、レッドの隣の席につく。
「ん?元気ないな?」
「そんなことないッスよ!何言ってるんすか。」
どうしてだろう。
レッドもイエローも、自分に対する態度は昨日と変わらない。
まさかイミテは昨日のことを話していないのだろうか?
ゴールドはイミテをチラリと見るが、彼女は丁度パンをほおばっているところで、特に目が合うことはない。
「どうぞ、ゴールドさん。」
「あ、ああ。ありがとうございます。」
イエローは、パンと卵とハムののったお皿をゴールドの前においた。
「それにしても、グリーンさんがこんな時間まで起きてこないなんてめずらしいですね。」
「あー…うん。」
イミテは言葉を濁した。
グリーンが起きてこないのは、自分が原因なのだから。
「(薬の効き目はもうとっくにきれてるはずなんだけどな…。)私、様子見てくるね。」
イミテは立ち上がり、ドアに手をかけた。
が……、
「!」
彼女はサッとドアの横の壁に背中をつけ身をひそめる。
「イミテ…?」
不思議に思ったレッドが声をかけた。
「何か…、嫌な気配がする…」
「え……」
まさにその瞬間、
ドン!
すさまじい音とともにドアが吹っ飛び、イミテの髪をかすめた。
「なに……!?」
誰もが驚き、ドアがあった場所に目をやれば…片手に刀を持っているグリーンが。
虚ろな彼の目。
レッド、イミテ、イエロー、ゴールドの姿を1人1人確かめるように見ると、グリーンはまた剣を構え直す。
「グ、リーン……?」
でてきなよ
そんなものに足を止めないで
上辺だけじゃない
本当の君はどこ?
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