15 裏切りの傷跡
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「え……!?」
「イミテ!」
「レッド…!?」
それと同時にレッドが駆け寄ってきた。
「大丈夫か!?怪我は!?」
「平気。…これ、レッドがやったの?」
「いや、俺は何も…。ゴールドが倒れたから慌てて出てきただけで…。」
「……あ。」
イミテは紅茶が入っていたカップを指差す。
「きっとこれだよ。眠れなそうだったから、睡眠作用のある薬草入りの紅茶あげたの。」
「今にもなって効いてきたって訳か。はあー、びっくりした。」
疲れたと言わんばかりにうなだれたレッドを見て、イミテは思わず微笑む。
「私もびっくりした。まさかゴールドがあんなに強いなんて。」
そうは言ってるもののイミテの表情はどこか楽しげ。
「気楽だなあ、イミテは。俺はイミテがゴールドに攻撃されてる時、出て行くか散々悩んだんだからな!」
「え……?」
「あのタイミングで俺が割ってはいったら、ゴールドは絶対に俺達を信用しなくなるだろ?」
そう言って優しく笑うレッド。
「…ふふ、そうだね。」
そんな彼にイミテは温かさを感じた。
「そういえばレッド、どこから話し聞いてたの?」
「ゴールドが自分の話しし始めた時から、かな。…コイツ、辛い思いしてきたんだな。」
「それなのに、あんなに元気にふるまうなんて…ね。」
イミテは少しうつむき、やがて意を決したように顔をあげた。
「ねえ、レッド。私達がゴールドの心の傷、ふさいであげよう?」
「へ…!?俺だってそうしてやりたいけど…でも、どうやって?」
「とりあえず明日、私が軍にいた理由話してみる。どうなるかは検討もつかないけど。」
苦笑して言うイミテに、レッドは優しく笑いかけた。
「やってみないことには始まらないもんな。頼んだぞ。」
「うん。」
2人して笑いあう。
目標ができた。
「さてと、ゴールドを運ばないとな。」
「よっ。」と言いながらレッドはゴールドをおぶって立ち上がった。
「平気?」
「おう。」
ゴールドは全く起きる気配がなく、すやすやとよく眠っている。
人なつこそうにレッド達と話してはいたが、実は常に警戒していて疲れていたのだろう。
「(この子はそうやって…今まで1人で生きてきたんだなあ…)」
イミテもそんなことを思いながら、ゴールドの棍棒を拾い上げる。
そして小屋に向かって歩き出した。
「それにしてもこんなに音たてたのにグリーンが起きてこないなんて珍しいな。」
「あー…、実は食後にグリーンに渡したお茶にも、睡眠作用のある薬草いれといたんだ。最近ろくに寝てないみたいだったから。」
「ははっ!だからか。さすが、イミテだな。」
イミテの細かい気配りに感心し、レッドはにっこりと笑うのだった。
.