14 越えられない憧れ
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数時間後、彼ら5人は小さな小屋の中にいた。
この小屋はイミテの緑の能力で作ったもの。
能力者だとばれないようにゴールドには知り合いの山小屋だ、とグリーンが嘘をついた。
「すっげぇー!これ全部レッド先輩がとったんスか!?」
「まあな!」
彼らの目の前に並ぶのは大きさがまちまちの数十匹の魚。
レッドは誉められて照れ隠しに鼻をこする。
「はい。」
イミテは先ほど炊いた米を茶碗によそり、1人1人に渡していった。
「ありがとうございます!気が利くッスね、イミテ先輩。いいお嫁さんになりますよ!」
「おせじはいいからさっさと食べて。」
その言葉にゴールドは素直に魚にかぶりついた。
そして「うま!」っと満面の笑顔で言う彼に、レッドもイミテもイエローもつられて笑顔になって、食べ始めた。
夕食後、レッドとゴールドは楽しげに話しをしていた。
「やっぱ剣って使う人に一番合う形とかがあるんスか!?」
「ああ。俺のは長さに特徴はないけど、柄の部分が他とは違うんだぜ!」
「柄が…?パッと見何もないッスけど…。」
「ほら、この辺が微妙にへこんでるだろ?知り合いの職人が俺の手の形に合わせて作ってくれたんだ。」
「へー!すげー!」
感嘆の声をもらし剣をながめるゴールド。
どうやら剣に興味があるというのは事実だったようで、話しは徐々に盛り上がっていく。
そこにイエローとイミテがお茶を持ってやってきた。
「レッドさん、どうぞ。」
「お、さんきゅ。」
「ゴールドも。」
「ありがとうございます!」
お茶を受け取ったゴールドは、そのままジッとイミテを見つめる。
「ん?なに?」
「イミテ先輩は弓矢使いなんスよね?」
「そうだよ。ゴールド、弓にも興味あるの?」
「いえ、全く。弓は集中力が必要なんでしょ?俺には到底無理ッスよ。」
「ああ…そんな感じがする。」
「ちょ……少しはフォローしてくださいよ!」
「あはは。」
ゴールドの慌てっぷりにイミテが笑い、レッドとイエローもその様子を見て笑った。
「イエロー先輩は…」
「あ、僕は戦いとかは全然。少し武術をかじったぐらいです。」
「イエローは看護専門だもんな。」
「あー…イエロー先輩にはそっちのが似合ってるッスよ!心も体も癒やしてくれる、みたいな!」
「心は無理ですけどね。」
ゴールドのおちゃらけた言葉にイエローは苦笑するが、
「私、イエローには心も癒してもらってるよ。」
「えっ?」
「だって、こんなにかわいいから、見てるだけで癒やされる。」
そう言ってギュッとイエローを抱きしめたイミテに、イエローは「イミテさん!?」と慌てながらも嬉しそうに笑っていた。
「仲いいんスねー…。」
「はは、あの2人はいつもあんな感じだからなー。そういえばゴールドは仲間は作らないのか?」
イミテは見逃さなかった。
その質問をされた時、ゴールドが少しだけ俯いたのを。
しかしそれは本当に一瞬の出来事で、彼はすぐにニッと笑顔になった。
「まあ俺は1人でも生きていけるぐらい強いッスからね!」
「ほんとかー?」
「盗賊はよく群れになってる奴らが多いけど、あんなの邪道ッス。弱い奴らが集まっていい気になってるだけだ。」
「本当に強い奴は仲間を作らないんスよ。」とゴールドは自信たっぷりで、どこか見下したような笑みを浮かべた。
「でも……、ゴールドさんは、1人で寂しくないんですか?」
「全っ然!俺の相棒は、コイツだけッスから。」
ゴールドは傍らにあった棒を掴み、レッド達に見せつけるように掲げる。
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