14 越えられない憧れ
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「くだらない嘘をついてる暇があったらさっさと「お、レッド先輩!その剣いいッスねー!かっけえ!」
グリーンの言葉を遮って、ゴールドはレッドに駆け寄った。
自分の自慢の剣を誉められたレッドは満更でもないようで笑顔になる。
「へへ!特注品なんだぜ、これ。ゴールド、剣に興味があるのか?」
「はい!触ってもいいッスか!?」
「ああ!」
そう言ってレッドが剣をゴールドに渡そうとした瞬間、グリーンの「待て!」と言う声が響いた。
「渡すな。おそらくそいつはお前から剣を奪い、また何かをする気だ。」
「ひっでえな!グリーン先輩は。俺、さすがにそこまで悪知恵働かないッスよ。」
「そうそう。そんなに疑ってばっかだと嫌われるぞ、グリーン。」
何やら意気投合し始めたレッドとゴールドに、グリーンは盛大なため息をついた。
そんな様子をみてイミテは「でも、」と話しに参加する。
「ゴールド、何かたくらんでるのは事実でしょ?」
「え…イミテ先輩、何言って……」
「なかなか帰らないのがその証拠。足もほとんど痛くないくせに。」
さっき普通にレッドに駆け寄ってたし、と言うイミテに今度こそ反論できなくなったゴールドは苦笑いを浮かべた。
「……ごまかすの無理みたいなんで、単刀直入に言うッス。今夜1日、やっかいにならせてください。」
「は!?」
「足がものすごく痛いって言ったら嘘になるけど、少し痛むんスよ。こんなんじゃ飯の準備もできやしねぇ。飢え死にしたら大変なんで、お願いします。」
「…ゴールド、自分を襲ってきた盗賊の面倒をみろっていうの?」
イミテが少し厳しい目つきでゴールドを見るが、彼はそれをかわすようにへらっと笑いながら言った。
「あー…、足がいてぇ。」
またもわざとらしく足首をおさえて座り込むゴールド。
そんな彼の様子に…、
「ぷ、あはは…!」
イミテは思わず笑ってしまった。
「イミテ…?」
「いいよ。今日はここに一緒に泊まって。」
「おい、イミテ!」
「いいじゃん、1日ぐらい。恩を仇で返されるようなことがあっても……、なんとかなるでしょ?」
「まあな。」
イミテもグリーンもゴールドを一瞥して見下したようにそう言った。
「そりゃあないッスよ!俺だって結構名のしれた盗賊で……」
「さーて、夕飯の準備しなきゃ。レッド、食材見つかった?」
「果物とか見つけたんだけど、慌ててここに来たから全部置いてきちまった。とりあえず魚捕まえるか?」
「よろしく。私はお米用意し直す。」
「無視ッスか?ちょっとちょっと!」
「うるさい。怪我人と言い張るなら静かにしてろ。」
グリーンがバシンとゴールドの頭を叩けば、彼は拗ねたように口をとがらせた。
「ふふ、」
その様子を見て、米をとぎながら笑うイミテ。
「何笑ってんだ?」
レッドは軽くストレッチをしながら彼女にたずねた。
「ゴールドっていちいち可愛い反応するなー、と思って。」
からかいがいがあるよね、と彼女は楽しそうに笑う。
「たしかに。なんか弟ができたみたいだよな!別に悪い奴じゃなさそうだし。」
レッドも笑いながら、靴や剣を自分の体からはずしていく。
さっそく魚をとるため川に潜るようだ。
「でも、なんかあの子…、表情が……。」
イミテがボソッと本当に小さく呟いた。
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何でもない。それより美味しそうな魚、人数分よろしく。」
「ああ、5人分だろ?まかせとけ!」
ザバンッ!と、レッドは勢いよく川に飛び込んだ。
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