14 越えられない憧れ
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「なるほど…つまり返り討ちにあったってことか。」
「ふがいない奴だな。」
「油断しすぎだよ。あっという間に片づいた。」
言いたい放題のグリーン達に、少年はむすっとした様子で頬を膨らませた。
「…まさかこんなか弱そうな女の子が足払いするとは思わねえって…。」
「おい、言葉使いに気をつけろ。お前、年下だろ?」
グリーンが鋭い目つきで彼を睨む。
「はいはい。でも少なくともそこの金髪ちゃんにはタメ口でいいでしょ?俺より年下ッスよね?」
少年はイエローを指差しながら言った。
「失礼なこと言わないで。この子は私と2つしか歳が変わらないんだから。」
「へ!?お姉さん、さっき年齢の話しになったとき、俺より3つ歳上とか言ってたッスよね!?」
「うん。ちなみにそこの男の子2人も私と同い年。」
「ってことは……、」
「?」
「……と…」
「と?」
「年上ぇぇ!?」
少年は驚きを隠せないようで、イエローを指差して大きく後ろにのけぞりながら叫んだ。
「……お前、名前は?」
グリーンが痺れをきらしたように少年に問いかけた。
「あ、俺の名前はゴールドッス!」
「ゴールド、ね。…ねえ、なんかお姉さんって呼ばれるの嫌なんだけど…。」
「じゃあ名前教えてください!」
ゴールドは盗賊らしくない人懐っこい笑顔を見せた。
イミテが確認の意味もこめてグリーンのほうを振り返れば、問題ないだろうと彼はコクリと頷く。
「……イミテ。」
イミテがポツリとつぶやけば、「かわいい名前ッスね!」とゴールドはニッと笑う。
「他の人達は?」
「俺はレッド!」
「僕はイエローです。」
「……グリーンだ。」
波にのるようにそれぞれが名前を言っていく。
「レッド先輩にグリーン先輩にイエロー先輩、それとイミテ先輩ッスね。了解ッス。」
「せ、先輩って…。」
レッドは言われなれていない言葉に、少し抵抗を感じているようだ。
「まあ一応皆さん年上なんで、敬意をこめて。」
「敬意なんてこれっぽっちも持ってないだろ。」
グリーンがそう言えば、ギクリという効果音がぴったりなぐらいにゴールドの肩が動いた。
「や、やだなー、グリーン先輩!疑り深いッスよ!」
「見え透いた嘘をつくな。盗賊のくせに手当てまでしてもらったんだ。もう帰れ。」
「分かりましたよ。帰ればいいんでしょ!……いてててっ!」
突然ゴールドが足首を押さえてその場にうずくまった。
「どうしたんですか!?」
「大丈夫か!?」
イエローとレッドが近寄れば、ゴールドはさらに顔を歪める。
「足首が痛んで…。」
「そんな!手当てしたはずなのに!」
「念のためもう1回見てやったらどうだ?」
「そうですね。もしかしたら骨にひびとか……」
どんどん話しが大きくなっていく中、グリーンが一言。
「レッド、イエロー。本気にするな。そいつのは演技だ。」
「「ええ!?」」
2人とも素直に信じていたようでかなり驚いていた。
ゴールドはというと、「やっぱ無理か…。」と悪びれた様子もなく立ち上がる。
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