14 越えられない憧れ
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夕食の準備をするイミテとイエロー。
「イエロー。釜とってくれる?」
「はい!お米はもう入れときましたよ。」
イエローは笑顔でお米を炊くための釜を手渡す。
「ありがとう。じゃあ水入れるのはレッド達が帰ってきてからにしようか。」
イミテは川の近くに釜を置いた。
「次は寝床の準備ですね!」
「うん。弓矢は…?」
イミテはキョロキョロと辺りを見回し、弓矢を探した。
というのも、寝床はいつもイミテの緑の能力で小さな家を作っているからだ。
「あれ?私どこに置いたっけ?」
でも弓矢はいっこうに見つからない。
そのとき、イミテの背後で大きな音がした。
それは、釜が倒れた音。
「え…?」
「イミテさん!お米が全部散らばってます!」
「うそ…!?」
イミテは釜をおこそうと、しゃがみこんだ。
「…!イミテさん!!」
イエローが気づいた時にはもう遅かった。
「っ!?」
イミテのか細い喉に、背後から鉄製の棒が回されていたのだ。
その犯人は、さっき茂みでイミテ達を見ていた黒髪の少年。
「……く!」
「おっと大人しくしてろよ!」
抜け出そうとするイミテに、少年は愉快そうに言った。
「お探しの弓矢は隠させてもらったぜ。」
「アナタ…何者?サカキの手下?」
「サカキ?残念だけど俺はただの盗賊。それに他の奴らと仲間を組んだ覚えもない。」
「な、何が欲しいんですか!?渡すからイミテさんを離してください!」
「おいおい。盗賊の目当てって言ったら金にきまってんだろ?…あとは“女”、とかな。」
少年はニッと笑う。
「あの剣士2人が戻ってくる前に、お宝とお前ら2人をつれてとんずらしちまうってーのもアリだな。」
「ふざけないでください!僕達がアナタなんかについて行くわけ…」
「断れんのか?この状況で?」
「……!」
黙りこむイエローを見て少年は勝ち誇ったような笑みを見せ高らかに言った。
「へへっ!ちょろいもんだぜ!俺の勝ちだな。」
すると今まで黙っていたイミテがぷっ、と吹き出した。
「…なんだよ?」
「アナタ…よく自信過剰って言われない?」
「はっ…?」
ザッバーンッ!!
「イミテ!イエロー!」
なにか大きなものが落ちるような水の音を聞きつけて、あわてて駆けつけたレッドとグリーン。
彼らは彼女達に何かあったのか、と気が気でなかったが、目に飛びこんできた光景に唖然としていた。
「あれ?2人ともどうしたの?」
そこにいたのは平然としているイミテ。
そして見知らぬ少年と、彼に包帯を巻いているイエローの姿が。
「どうしたのって…。音を聞きつけて…。」
「そいつは誰だ?」
「あー…盗賊みたい、ね。」
「とう、ぞく!?」
ますます訳が分からなくなっていく2人に、イエローが説明をし始めた。
あのあとイミテは素早く足をひっかけ、バランスを崩した少年を川に投げ入れたらしい。
しかし川の中には大きな岩があり、少年は運悪くはそこに足首を打ちつけてしまった。
だからやむを得ずイエローが湿布を貼ったり包帯を巻いたりして、手当て(光の能力はばれると面倒なので使っていない)をしていたのだ。
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