14 越えられない憧れ
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「政府の人間か、きっと私達を能力者だって知らないかつ私達のことを邪魔に思ってる人…だね。」
キョウか、その手下か、はたまたキョウから事情を聞いたサカキが送りこんだ視角か……。
それぞれが考えこむなか、レッドが「行こうぜ!」と明るい口調とともに立ち上がった。
イエローのおかげで怪我はすっかり治ったらしい。
「今悩んでも解決しないだろ?いつか分かるさ。」
「それもそうだね。」
イミテもレッドの言葉に同意し、歩き出そうとする。
「待て。」
グリーンがそんな彼らを呼び止めた。
「お前らには緊張感というものがないのか?お前らが生きてると知ったら、必ずまた近いうちに襲いにくるぞ。」
「そんなこと言ったって、その時はその時だろ?」
「レッドの言うとおりだよ。グリーンは深く考えすぎ!」
「お前ら、怪我までしたのによくそんな呑気に…。」
眉間にシワを寄せるグリーンに、イミテは満面の笑みで言った。
「でも危険だからって立ち止まる訳にはいかないでしょ?」
「行こう。」と続けて歩き出すイミテに、グリーンは一瞬呆気にとられ、フッと呆れ笑いをした。
「………。」
そして、そんな2人の様子を遠目でイエローも見ていたのだった。
そのあと、順調に山を下っていった4人は、ようやく平原にさしかかった。
次の町―…シオンタウンまでは後もうひと息だ。
「だいぶ進んだね。」
「そうですね。あ、今日も食料調達しないといけませんよね?」
「あ、そっか…。結局昨日は食料調達どころじゃなかったもんね。」
「イミテさんとレッドさんは、昨日ちゃんと食べられたんですか?」
何せ2人は崖下に落ちた。
崖下は日光も届かず食物が育たないため、食事にありつくのは至難の業だ。
「うん。崖に落ちたときに、一緒に果物も落ちたみたいでなんとか。」
彼らは果物を一通り集めてから落下したため、幸い食事抜きにはならなかったのだ。
「だけど果物だけじゃ腹減るよな。今日はちゃんとした食事にありつきたいぜ。」
レッドが苦笑しながらそう言うと、「私も。」とイミテも笑った。
「肉とか魚とかな。」
「肉はさすがに無理でしょ。このへん、うさぎとかしかいないし。」
「じゃあ魚。んー、まずは川を見つけないとだよなあ…。」
レッドはキョロキョロと辺りを見回す。
ここは背の低い草ばかりの短草草原で、ちらほらと茂みや木があるのみ。
川があったら見つけやすいはずだ。
「ん……?」
するとレッドが足を止め、表情を変えた。
一瞬だけど何となく、周りの空気が変わったのに気がついたのだ。
「?どうした?」
「ああ…、そこの茂みから気配がしたような…。」
そう言いレッドは特に緑が濃くなっている草むらに近づいていく…。
そのまま触れようとしたが、
「あっ!」
と言うイエローの声に手を止めた。
「どうしたの?イエロー?」
イミテが彼女の視線をたどれば、前方からは数人の男達が立ちはだかっていた。
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