13 知って、知って、私のこと
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イミテの話しによれば、能力者にはそれぞれのタイプがあるらしい。
レッドのような炎の能力は攻撃型と呼ばれ、能力の規模が決まっていない。
自分の意思で威力を変えることができるのだ。
つまり落ち葉につける程度の小さいものから、その気になれば家一軒焼き付くせるほどの大きなものまで、自由自在に操れる。
しかし回数に限度があり、1日にだせる能力の数が決まっているため、無理に能力を使おうとすると体に負担がかかってしまう。
一方、イミテのような緑の能力は守備寄り攻撃型と呼ばれ、決まったパターンの技しか出せない。
でも変わりに能力が使える回数に限度がないという、ある意味バランスのいい型だ。
…まあ能力がいくらでも使えると言っても、イミテの場合は媒介である矢が尽きてしまえば意味がないのだが…。
そして最後はイエローのような特殊型。
このタイプに当てはまるのは光の能力と闇の能力のみ。
能力を使うと自分に副作用がおきるタイプのことを言う。
力を多用しすぎると、闇の能力の場合は身体に激しい痛み、そして光の能力の場合は睡魔が能力者自身を襲うのだ。
「へー…能力によって形式が違うなんて、初めて知ったなあ。」
一通りの話しを聞き終えて、レッドは感心しているようだ。
「イミテ、俺はどの型だ?」
「んー…確信はないけど、グリーンも攻撃型だろうね。1回自分の限界まで能力を使ってみれば分かるよ。」
たしかに彼女の話しが本当なら、限界がくれば攻撃型、ということになる。
もし攻撃型ならきちんと計画をたてながら能力を使わないと、後々困るだろう。
グリーンは剣の鞘に軽く手を当て、なるべく早いうちに試してみるか…と心の中でつぶやく。
レッドは、「うーん」と考えこみ、そんなグリーンに視線を向けた。
「だったら、グリーンの力で大地をもりあげれば、この山簡単に超えられるんじゃねーの?」
レッドの言うこともあながち間違ってはいない。
グリーンが攻撃型ならば容易くできることだろう。
しかしグリーンは大きなため息をついた。
「はあ…バカか。そんなことしたら俺はコイツに一生恨まれるぞ。」
「え?」
グリーンがチラリと後ろに目を向けたからレッドも見れば、頬を膨らませているイエローと目があった。
「イエロー…?」
「レッドさんのバカっ!そんなことしたら、ここにある木がかわいそうです!」
レッドの言っていたことを実行すれば、大地と一緒に木まで盛り上がってしまい、確実に枯れてしまうだろう。
故郷である森を失ったことのある彼女は、そういうことが許せないらしい。
「あ…そっか。そこまで考えてなかった。ごめんな?」
レッドはそっとイエローの頭を撫でる。
「分かってくれたならいいです。」
イエローは優しく笑った。
「……ねえ、今日はこの辺で休もう。日も暮れてきたし。」
「ああ。せっかくこれだけ緑の多い山だ。明るいうちに食料を調達しておいたほうがいい。」
イミテの提案にグリーンは頷き、目印として近くの木に自分の上着をかけた。
「万が一のことがあるかもしれない。二手に別れて捜索でいいな?問題はどう組むかだが…。」
おそらく森のことに一番詳しいのはイエロー。
彼女と誰が組めば一番効率よく事が進むか…。
グリーンは軽く考えこむ。
「じゃあここで分けようぜ。考えてる時間ももったいないし。」
そんな彼の考えもつゆ知らず、レッドは「ここな。」と手でしきりをつくり、適当に割り振った。
その結果、イミテとレッド、グリーンとイエローという組み合わせに。
「行こうぜ、イミテ。」
「うん。」
着替えなど、一通りの荷物を目印の木の下に置くと彼らは歩き出す。
「チッ…」
勝手な行動に軽く舌打ちしたグリーンだったが、行くぞ、と言って歩き出した。
「あ、ま、待ってください!」
イエローもあわててついて行く。
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