12 朱色のマントをひるがえし
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イエローは難しい顔をして、ブルーに視線を向ける。
「どうしてサカキは闇の能力者にこだわっているんでしょうか?」
「それはまだ詳しくは分からないけど…。私の予想だと、自分と同じ属性のものを集めてその力を強大化しようとしているんじゃないかしら?」
「力を蓄えて何かをしようとしてるのか…。」
「まあ、そう考えるのが妥当だろうな。」
「………。」
難しい顔をした皆の様子を見て、ブルーは明るい口調で呼びかけた。
「今はまだ結論をださなくてもいいんじゃない?あくまで噂だから、どこまでが本当か分からないもの。」
「とりあえずたしかな情報は闇の能力者が特に狙われているということだ。」
「そうか。2人ともありがとうな。」
「ええ。さて、矢も届けたことだし、私達はもう少し調べてみるわ。発信機、ちゃんと持っててね。」
ブルーの言葉に、4人は何とも言えない表情で顔を見合わせた。
「ここは今までどおりグリーンが持つべきだな。」
「誰が持つか。こんなもの。」
「ブルー…盗聴器だけとれないの?」
イミテの問いかけに、ブルーは「とれるにはとれるけど…」と言葉を濁した。
「つけてたほうが面白いじゃない!じゃ、よろしく!」
にっこりと満面の笑みを見せて去っていったブルーに、4人は深いため息をついた。
「……。」
シルバーもそんな様子を見て無言で背を向けると、ブルー同様、音もなく立ち去った。
「仕方ない…ジャンケンで順番決めて、かわりばんこに持つか…。」
「それが一番いいですね…。」
「ま、とにかく…」
イミテはいっぱいになった矢立をほんのりと嬉しそうに見ながら、3人の顔を見る。
「目的地も決まったことだし…、行こうか。シオンタウンに。」
「おう!」
何とも楽しそうなイミテの表情に、レッドも笑顔で返した。
扉をあければ、薄暗い部屋に明かりが差し込んだ。
入ってきた男は片膝をつく。
「只今戻りました、マチス様。」
「ごくろうだったな、キョウ。タマムシの件はどうなった?」
「それが、タマムシの姫に妙な護衛がついていまして。」
「護衛…だと?そんなものを理由に戻ってきたのか?」
「その護衛が能力者だったので、伝えたほうがいいかと思いまして。」
サカキと呼ばれた男は、能力者という言葉にピクリと反応する。
「一体なんの能力だ?」
キョウはニヤリと笑い、
「光です。」
……言った。
「光、か。」
今まで窓の外を見ていたサカキがクルリとふりかえり、表情1つ変えず淡々と言う。
「早急に始末しろ。」
「サカキ様。その役目、私が引き受けても?」
カツンカツン、と甲高く響く靴の音とともに現れたのは、長い黒髪をもった女性。
「いいだろう。お前にまかせよう、ナツメ。」
「はい。」
怪しげな笑みを浮かべた後、女性はスッと消えた。
それは大きな歪みの
小さな予兆
まだ、誰も気づいていない
標的を見つけ、
新たな敵が…
動き出した
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