12 朱色のマントをひるがえし
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…これだろう?」
「ピンポーン!大正解♪」
それは以前別れる際にブルーが彼に渡した発信機。
「実は発信機の他に盗聴器もついてるのよ、それ。」
「え…。それってもはや犯罪じゃない?」
「だよな。グリーンのプライバシーつつぬけだろ?」
ヒソヒソと話すイミテとレッドに、ブルーは「うるさいわね。」と一言。
「おかげで矢が手に入ったんだからいいでしょ!」
「あ、うん。ありがとう…。」
イミテは床に散らばった矢を丁寧に拾い集める。
「それにしても矢の種類よく分かったね。」
先ほども話していたが、イミテの使う矢は珍しい。
普通の矢に比べて飛距離がでるのだが、そのぶんコントロールが難しく一般の人はあまり好んで使わないのだ。
「感謝しなさいよー!シルバーが覚えてたのよ。イミテが使ってる矢をね。」
「シルバーが?」
「矢羽が印象的だったから覚えていただけだ。」
シルバーはそう言うと顔を背けた。
その様子にイミテは思わず気づかれないように笑ってしまった。
「シルバー、ありがとう。」
「……//」
シルバーはフイッ…と顔を背ける。
その顔はほんのり赤く染まっていた。
「(あら…)」
それに気づいたブルーは愉快そうに笑うのだった。
「まあおしゃべりはここまでにして…」
ブルーはエリカにチラリと目をやる。
「少し席をはずしてもらえるかしら?」
「ええ。かまいませんわ。」
エリカは心よく了承し部屋をでていった。
「……シルバー。」
ブルーの呼びかけにコクリと頷くと、シルバーが扉の外と窓の外にそれぞれ1つずつ煙玉を投げる。
「シルバーさん…何してるんですか?」
「催眠作用のある煙玉をまいてもらってるの。どこで誰が聞いてるか分からないでしょ?」
「一体何の話だ?」
ブルーはフフッと笑うと、皆の顔を一旦見回してから口を開いた。
「サカキの情報が入ったのよ。」
「サカキの!?」
いち早く反応したのはレッドだった。
「まず、この世界で能力者を脅威的存在に仕立て上げたのがサカキ。彼が“能力者は危険だ”っていう印象を周りに植えつけたの。」
「え?サカキ自身も能力者なんだろ?どうして自分が不利になるような噂を?」
「目的は能力者の追放みたい。」
「追放…!?」
「サカキは能力者を集めようとしているわ。」
予想もしていなかったブルーの言葉に、皆、目を見開く。
たしかに現在、能力者を献上すれば褒美がもらえ、逆にかくまれば罰をうけると、法で決められてはいるが…。
「しかも自分と同じ闇の能力者を特に集めたがってるらしいの。」
「闇…。」
「闇って…シルバーも闇の能力者だよね?」
「ああ。」
「なんでサカキに捕まらなかったの?マチスに仕えてたのに。」
マチスはサカキの手下だから、闇の能力者が手に入ればすぐに伝えるはずだ。
それなのに、シルバーはずっとマチスの元にいた。
「マチスが秘密にしていたんだ。」
「闇の能力は強力だから、手駒が減ると困るとでも思ったんでしょうね。」
「なるほど…。」
.