12 朱色のマントをひるがえし
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あのあと無事に城にたどり着いたイミテ。
そしてその数十分後、レッド達も戻ってきた。
イミテもお風呂から上がり、今は客間に皆そろっている。
「さてと。これからの予定たてないとな。」
レッドは腕組みをしながら机に広げた地図を見ながら言う。
「まずは早急にここをでて、イミテの武器を調達するべきだな。」
グリーンは空になったイミテの矢立に一瞬目をやりそう言った。
「ここから一番近いのは…セキチクという町ですよね。」
「セキチク!?ちょっとお待ちになってください!」
イエローの言葉を聞き、扉の近くで聞き耳をたてていたエリカがあわててかけよる。
「セキチクシティはキョウの本拠地でもあるんです。今のアナタ達の実力では…無理だと思いますわ。」
エリカの言うことはもっともだ。
キョウはおせじにも到底叶うレベルの相手ではない。
彼に勝つにはもっとたくさん修行を重ねる必要がある。
「じゃあ進路を変えて…シオンタウンに行くか?」
「でもここからだとけっこう距離がありますね…。」
地図では道中に山や草原などがたくさん記されている。
「それにこの町は廃れていて、山賊や盗賊がたくさんでるという噂ですわ。」
「シオンタウンに着くまでイミテは戦えないから…、辛いな。」
「私、武術もできるけど?」
戦えないと言っても決して何もできないワケではない。
接近戦になった時ように基本的な護身術と、少し上級者向けの技をいくつかたしなんでいる。
「でも武器持ってる相手に武術で立ち向かうのは危険すぎるだろ?」
「あ…槍と盾でよければ、地下にある武器庫に蓄えがありますわ。」
取ってきましょうか?と言ったエリカを、グリーンは手で制止した。
「いや…、やはり自分の専門職のがいい。いつどこで強敵に出くわすか分からないからな。どこかで矢を調達できればいいんだが。」
「この近くの村をしらみつぶしにあたるか?」
たしかに村にも矢が売っているところはあるだろう。
「あ、でも、イミテさんの矢、珍しいタイプなんですよね。村に売ってるんですか?」
「たぶん町とか、少し大きいとこじゃないと売ってないだろうね。まあ…とりあえず他の矢でも使えるには使えるけど。」
「飛距離など変わる可能性があるが…妥協するしかないな。」
グリーンの言葉に皆うなずき、その場がまとまりそうになったとき……
後ろで、カランカランッと音がした。
「「!?」」
レッドもグリーンも剣の柄に手をかけ、バッとふりかえる。
そこにあったのは、無数の矢。
「え…、これ…。」
しかもそれは薄黄緑の矢羽の、イミテが愛用している矢だった。
「これが必要なんでしょ?」
腰に手をあてて満足げな表情で現れたのは…、
「「ブルー!?」」
「はあい♪元気だったかしら?シルバーもいるわよー。」
「……。」
ブルーの影から無言で現れたのはシルバー。
「どうして矢がないこと分かったの?」
「というかブルー達、どこから入ってきたんだ?」
「あれくらいの警備お手のものよ。あんまり厳重じゃなかったしね。」
ブルーの言葉にエリカの表情がくもる。
タマムシシティの軍は町の復興に手一杯で、城の警備に十分に手がまわらないのが現状だ。
「矢のほうのヒントはグリーンにあるわ。」
「グリーン…?」
皆の視線がグリーンに集中する。
彼はため息をつきながら、あるものを取り出した。
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