11 それぞれの思いやり
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じんわりと、じんわりと軽い痛みが広がっていくような感じがした。
「(なんだろう…、むずがゆいな、この感じ。)」
まるで今の自分の心が反映しているみたいだ。
分からない。
彼の、今の気持ちが。
「……レッド、さ…、なにに怒ってるの?」
イミテがゆっくりと口を開く。
理由を聞かないと始まらない。
でもレッドの2つの茶色がかかった赤い瞳は、イミテを見据えたまま…悲しい色を見せた。
「……自分で考えろ!」
……突き放された。
「…ッ!言ってくれなきゃ分かんない!言いたいことがあるなら言いなよ…!」
レッドの態度にイミテも少々苛立ちを覚え、声を荒げる。
…分からない。
彼の考えていること、行動が。
理解できない。
何が、起きてしまったんだろう…?
あれからレッドとイミテの間には気まずい空気が流れたまま、夜になった。
「今日も野宿したほうがいいですよね?」
「ああ。町に戻るのは危険だ。」
グリーンとイエローがポツリポツリと会話をしている。
「あ…火が消えそう。僕、薪拾ってきます。」
そう言ってイエローは、少し離れた場所に向かう。
薪を拾いながら彼女は、チラリと後ろを盗み見した。
レッドもイミテも焚き火をはさみ、お互いに背を向けるような形で座っている。
あれから2人とも、一言も言葉を交わしていない。
レッドにいたっては、誰とも。
「レッド、ちょっと来い。」
さすがに見かねたのか、グリーンが座っていたレッドの腕をつかみ、立ち上がらせようとする。
レッドはそれを振りほどき、自力で立ち上がる。
そんな彼の態度にグリーンははあ、と1つため息をついてみせると、森の奥を目指して歩き始めた。
レッドもただ、黙って彼について行く。
しばらく歩いたところで、そろそろいいだろう、とグリーンは振りかえった。
「レッド。お前、イミテの何に怒っているんだ?」
まさに単刀直入。
レッドには遠まわしに聞くよりこっちのほうがいいことを、グリーンは知っている。
「………。」
しかし、レッドはグリーンと目を合わず無言のままそっぽを向いた。
「俺に言いたくないならそれでいいが、イミテとはちゃんと話し合え。」
「……。」
「このままというワケにはいかないことぐらい分かってるだろう?子供みたいな態度をとるな。」
グリーンがレッドを少し睨んで諭すように言うと、ようやくレッドが口を開いた。
「……イエローのときも、二ビシティの城に忍びこんだときも、今回もそうだった…っ」
静かに、話し始める。
「話して直ったって意味ない。もっと根本的な問題なんだ…!」
レッドはそう言いながら、拳をギュッと握りしめる。
「…何があった?」
グリーンの声はさっきよりも低く、表情も険しくなっている。
レッドは観念したように、ようやくグリーンと目を合わせた。
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