10 縛られた生き方を見た
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「アタシも…アナタ達に協力してあげるわ。」
「え……?」
「だから、サカキについて調べてあげるって言ってるの!まあ…さすがに一緒に旅はできないけどね。」
「姉さん!?」
「いいじゃないの、シルバー。どうせアタシ達だって仮面の男について調べるんだし。ついでよ、ついで!」
ブルーはニコッと笑う。
シルバーはブルーに弱く、そんな表情をされてしまうと何も言い返せないわけで…。
「よし、決定!なにか分かったら知らせるわ。」
「別々に行動して連絡手段はあるのか?」
「ええ、もちろん。コレを持っててちょうだい。」
ブルーはポケットから黒い四角いものを取り出し、グリーンに手渡す。
「なんだ?」
「発信機よ!すごいでしょ!アタシが作ったの。」
よく聞けば、ブルーは機械関係の作業も得意で趣味で作っていたらしい。
「それを持ってればアンタ達の居場所は分かるから、伝えに行くわ。」
「ああ、分かった。」
「そろそろ行きましょう、シルバー。…あ、そうだ。最後に1つ…。レッド!」
「ん?」
「ちょっといいかしら?こっち来て。」
「へ?ああ…。」
ブルーはレッドの手をひっぱり、皆から少し離れた場所へと移動した。
「(なに、話してるんだろ…?)」
不思議に思い聞き耳をたてるイミテ。
そんな彼女に、シルバーが近づきためらいがちに声をかける。
「おい…、」
「え…?」
「…礼を言う。お前は姉さんを…、俺達を救ってくれた。」
それを聞いて、イミテはくすりと笑った。
「言ったでしょ?私は特に何をしたわけじゃない。…それと、お前じゃなくて“イミテ”、ね。」
イミテはにこり、と綺麗に笑う。
穏やかな笑みだ。
「……!//」
シルバーは顔がカーッと赤くなっていくのを感じた。
バレないように口元を手でおおって隠す。
「シルバー、お待たせ。行きましょ!」
そんなときタイミングよくブルーがシルバーを呼んだ。
「じゃあ、またね!」
「うん。気をつけて。」
ブルーが大きく手をふり、イミテも軽くふりかえす。
グリーンはそんな彼女の手首を見て、眉間にシワをよせた。
「イミテ。お前…その傷どうした?」
「え?……ああ。捕まったときに、鎖で手首しばられてて…少し痕がついただけだよ。」
痕がついただけ、というには少し無理がある。
彼女の手首は擦れて赤くなっていた。
「イミテさん。傷、治しますよ。見せてください。」
「ううん、大丈夫。イエローだって疲れてるんだから。たいしたことないし。」
イミテはそう言うと、
「じゃあ行こうか、レッド。」
さっきから黙りっぱなしのレッドに話しかけた。
「……イミテ。」
レッドはイミテに近づき、そのまま彼女をジッと見る。
「…なに?」
バシッ!!
「っ…!」
「「!?」」
レッドは右手で思いきりイミテの頬をたたいた。
「な…なにしてるんですか!?レッドさん!」
「バカか…!お前は…!!」
突然のレッドの行動にあわてながらも、イミテの元へと駆けよるイエロー。
そして、レッドの腕を掴み動けないようにするグリーン。
「………、」
イミテは目を見開いたまま、レッドをみつめていた。
「…ッ!どうしていつもそうなんだよ!俺達仲間じゃないのか!?」
レッドの怒鳴り声が辺りに響いた。
それは怒りというより、悲しみに近い。
…彼以外の人は、なぜこんなことになったのか全く分からない。
ただ、じんわりと赤くなっていくイミテの頬が、これは現実だということを表していた。
相手を傷つけると
どうして、
傷つけた自分のほうが
痛く感じるんだろう
.