10 縛られた生き方を見た
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一方レッドとグリーンは、今だブルーがのこした水しぶきから逃れられずにいた。
「(この水…、時間がたってもおさまる気配はない、か…)」
やっかいだ、とグリーンは思わずチッと舌打ちする。
「早くしないと、イミテが危ないっていうのに…!」
レッドは腰から剣をぬき、おもむろに水の中に突き刺した。
だが…、
バシンッ!!
剣は水圧で吹き飛ばされてしまう。
「くそ…!」
「あせるな、レッド!そもそも水と炎は相性が悪すぎる。」
「じゃあ、どうすればいいんだよ…!」
「…こうするまでだ。」
グリーンは地面に刀を突き刺す。
すると地面が盛り上がり、水しぶき以上の高さまであがった。
タッとグリーンはそこから飛びおり、レッドに向かって言う。
「冷静さを失ってはどうにもならない。もう少し周りを見てから行動しろ。」
「…!」
グリーンは再度、地面に刀を突き刺す。
すると今度はレッドのいる足場が、さきほどのグリーン同様高く盛り上がった。
「行くぞ。」
走りだすグリーン。
レッドも高く上がった地面からおり、吹き飛ばされた剣を拾い腰にもどすと、
「……っ、」
グッとこぶしを握りしめ、グリーンのあとを追った。
幸い教会から旅館まではそんなに離れていなかったため、数分でたどり着いた。
急いで階段を駆けあがり部屋の前まで行くと、人だかりができている。
「あ…!この部屋をお借りした方々ですよね…!?」
宿主が2人に気づき近寄ってきた。
「はい…っ!」
レッドは少々息をきらしながら答える。
「中には誰かいますか?さっきから呼びかけてるんですが反応がないんです。窓ガラスが割れたりしてるんですが…。」
「「!!」」
レッドとグリーンは顔を見合わせる。
次いで、レッドが剣を抜きその柄をぶつけてドアノブを壊すと、足で勢いよく扉を蹴って開けた。
「ちょっとアンタ!何して、」
「下がってろ!」
グリーンの勢いに、宿主はひるみ後ずさりをする。
「!イエロー!」
レッドが、倒れているイエローを見つけて駆けよった。
「う…、レッドさん?」
イエローはゆっくりと目を開け、その目がレッドをとらえる。
「大丈夫か!?怪我は!?」
「少し…頭が痛むだけです…。……!イミテさん!イミテさんは!?」
イエローはレッドの腕の中で暴れる。
「落ちつけ!何があった!?」
「路地裏で会った男の人が窓から入ってきて…攻撃されて…そこから何がおきたか分かりません…。」
「分からないって、」
「なんだか…、怖い夢を見ていた気がします…。」
説明しているうちに思い出してしまったのか、イエローの目にはしだいに涙がたまっていく。
「…遅かったか。」
「今から助けに行けば間に合うかもしれない!グリーン、行こう!イエローは待っててくれ!」
レッドはあわてて部屋を出ようとする。
「レッド!…さっきも言ったはずだ。冷静になれ、と。奴らはこの広いクチバのどこにいるか検討もつかないんだぞ?」
「心あたりなら…ある!あのブルーって子、マチスの手下って言ってたよな…?」
「?…ああ。」
「だとしたら、たぶんあそこだ!行くぞ!」
レッドはそう言い、走りだした。
「僕も…、っ!」
イエローも立ち上がろうとしたが、力が入らなくてその場に崩れる。
「イエロー、お前はここにいろ。イミテは俺とレッドで必ず見つけ出す。」
「っ…。グリーンさん。」
イエローがグリーンに何かを投げる。
「イミテさんに渡してあげて下さい…!」
それは、イミテの弓矢。
「分かった。」
弓矢を左手に持ち、グリーンはレッドを追いかけた。
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