拍手詰め合わせ
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
トキワジムに集まって皆でお茶会中…
【風邪ひきさんに】
「ゴホッ…ゴホッ…」
「ちょっと。大丈夫?」
咳をした私を心配そうに見つめるブルー。
「平気平気!ちょっと風邪気味なだけだから…」
「でも顔赤いです…」
「熱あるんじゃないッスか?」
ブルーにつづいて、イエロー、ゴールドも心配してくれる。
「平気だって!もう皆心配しすぎだよー。」
一応そう笑って見るけど、正直しんどい…。
朝から体が少しだるくて、だんだんと悪化してきてるんだ。
でも今日は皆が集まる大切な日だから、どうしても来たくて、なんとか出てきた。
一応皆にうつらないようにマスクはしてきたんだけど…。
「はい!体温計、持ってきました。」
イエローが私に体温計を差し出す。
「あ、ありがとう…。」
測らなきゃいけない雰囲気だよね、これは。
脇の下に体温計を挟む。
「それにしても、何か熱がでることしたの?」
「うーん。昨日の夜、ちょっと外にでただけなんだけどな。」
「どんな格好で?」
「えっ、長袖にガーディガン羽織って…」
「バカ!!」
「そんなに怒鳴らなくたっていいじゃない…」
「そんな薄着ででるからいけないのよ!」
「どうして外にでたんですか?昨日は特に冷え込んだのに…。」
「いやー…風にあたりたくなって?」
「…バカ。」
ピピピ、ピピピ……
しばらくして体温計が鳴った。
「熱はかれたみたいね。」
「うん。」
私は体温計を取り出す。
「えっとー…」
…………。
ピッ!!
「あー!アンタ、体温計の電源切ったでしょ!?」
「………だって平熱だったから!」
「……ほんとに?」
「ほ、ほんとに…」
皆が疑いの眼差しで私を見てる。
沈黙が痛いよ…。
「……38.4℃」
後ろから声がして、振り返ってみれば腕組みをして壁に寄りかかっているグリーンの姿。
あっ、もしかして見えてた?
「ちょっと!どこが平熱なのよ!?」
「早く休んでください!」
「グリーン先輩!布団どこッスか!?」
一気に騒がしくなったジム内。
あー……皆の騒ぎ声が頭に響くよ…。
「平気……家に帰るから…」
「何言ってんのよ!!そんなに熱あるのに!家に着くまでにぶっ倒れるわよ!?」
「だいじょう「ほら、早く布団に行きなさい。ね?」
……こうして強制的に休むことに…。
「じゃあ私とイエローは何か食材買ってくるから。グリーンにゴールド、ちゃんと看病しといてね。」
「ああ。」
「了解ッス。」
ブルーとイエローは栄養のつくものを作ってくれるらしく、足早にジムをでていった。
タマムシのデパートに買いに行くって行ってたから…2時間ぐらいはかかるかな?
「先輩、大丈夫ッスかー?」
「うん、平気だよ。」
ほんとはだるいけどね。
さっきより熱があがったみたい…。
「おい……」
グリーンが不機嫌そうに声をかける。
見破られたかな?
グリーン鋭いから…。
「大丈夫だって、ねっ?」
精一杯の笑顔をつくりそう言うが、やっぱり不機嫌そう。
「そっちの心配してるんじゃない……」
やっぱり、グリーンにはお見通し、か……。
「大丈夫……まだ、ね。」
「何の話ッスか?」
ゴールドには話についていけないらしく、不思議そうな顔。
「うーんとね……レッドの話。」
「レッド先輩、ッスか…?」
「修行にでてもう一週間か?」
「うん。一度も連絡がないんだよね…。」
一週間前、修行にでたっきり、電話が繋がらない。
やっぱり私のこと、どうでもいいのかな…?
「夜中に外にでたのもレッドが関わってるんだろ?」
「ご名答。」
私は思わず苦笑。
修行に出る直前、レッドは言ったんだ。
一週間ぐらいで帰るから、って。
で、外で帰りを待ってたら、思ったより寒くて……風邪ひいちゃった。
「ハハッ、レッド先輩、愛されてるッスね。」
「ゴールド、からかわないでよ。」
あははと笑うと、ゴールドとグリーンもくすっと笑う。
「でもさ、」
……想ってるのは私だけなのかもしれない。
「ん?」
「……なんでもない。」
「えー?気になるじゃないッスか。」
「ふふ、ごめん。眠くなったから寝るね。」
「ちぇっ。」
「ゴールド行くぞ。お前がいるとやかましくて寝られないだろ。」
「グリーン先輩、ひどいッス……」
「ほら、行くぞ。」
「先輩!レッド先輩が嫌になったらいつでも俺に言ってくださいね!待ってるッス!!」
「あはは……」
バタンっ!!
思いっきりドアが閉まった。
たぶんゴールドがうるさいからグリーンが怒ったんだろうな。
「ふふ……」
思わず笑いがこみあげる。
「はぁ…もう寝よ。」
レッドのこと考えるのもしんどいし、頭も痛いし…。
寝てすっきりしよう…。
疲れていたのもあって、数分で眠りにつけた。
「ふわーぁ……」
目を覚ませば、
「よっ!おはよ!」
愛おしい、彼の姿……えっ!?
「レッド!?どうしてここに!?えっ、夢………?」
「ハハ、夢じゃないって。ついさっきまで修行してたんだけど、ゴールドが来たんだ。」
「ゴールドが…?」
「ああ、お前が熱だしてるって教えてくれてさ。」
「それでわざわざ帰ってきたの!?微熱だから平気なのに…。」
「嘘つくなよ。38、4℃だろ?グリーンに聞いた。」
「うっ……。私にとっては微熱なの!」
こんな熱ごときでレッドに心配かけて、修行も中断させちゃって…。
レッドの重荷になるのが一番つらいのに。
そんなことを思っていると、頭をレッドの胸に寄せられる。
「レッド………?」
「ごめんな、辛い時にそばにいてやれなくて。」
「………」
「グリーンに怒られたよ。もう少し考えてやれってな。」
グリーンもゴールドも、私のために……?
私、そんな悲しそうな顔してたかな…。
「もっと甘えていいから、な?」
いつもなら、間髪いれずに大丈夫って答えてたと思う。
だけど…熱があるから、かな。
すごく、すごく。
気をゆるめたら涙がでちゃうしまうほどに、甘えてしまいたくて。
私は、彼の重荷になりたくないって思うのと同じくらいに、ずっと彼に甘えたかったのかもしれない。
「…じゃあさ、」
私はレッドの腰に腕を回す。
「ちょっとこうしてていい?」
「ああ」
レッドはクスッと笑って。
優しく抱きしめてくれた。
どんなに辛いことがあっても
アナタがそばにいてくれさえすれば、
私はすぐに忘れられるんだ
「……ねえ、大好き。」
たまには風邪もいいかもしれない。
.