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その日アナタは、真っ黒のワンピースを着て、暗い夜道を歩いていた。
俺はアナタに魔法をかけられてしまったみたいです。
一生とけない、恋の魔法を。
【Where are you going,Miss?】
(お嬢さん、どこいくの?)
「先輩?」
「えっ?」
俺が声をかければ、彼女はすぐに振り返った。
「やっぱり先輩だ。」
「ゴールドか!びっくりした。」
「可愛い猫ちゃんッスね。」
「えへへ、ハロウィンだからブルーに借りたの。」
「ブルー先輩ッスか。あの人イベント好きッスからね。」
そうだね、と彼女は微笑む。
「あっ、ゴールド!Trick or treat!」
「えっ!?」
いきなりの不意打ち。
俺はポケットに手をつっこんでお菓子を探すが、何も見つからない。
「あー…なにも持ってないッス。」
「じゃあイタズラしてやるっ!」
そう言って無邪気に笑う彼女。
「イタズラって何するんスか?」
「えっ……」
「考えてなかったんスね。」
分かりやすい。
つーかそういうとこすげえ可愛い。
「うっ……考えてあるよ!えっと…」
「あっ!じゃあ今度ケーキおごって!!」
「えっ?」
「駅前に新しいケーキ屋さんができたの!行ってみたかったんだ♪ねっ?」
「あ、はい……」
それって全面的に俺が得してね?
ま!気づいてないから言わないけど。
「…約束忘れないでね。じゃ、私そろそろ行くから。」
「?どこ行くんスか?」
俺がそう聞けば、彼女は少し頬を赤らめて、
「レッドのところ!」
と言ったんだ。
なんかさ。
今までずっと、我慢できてたはずなのに。
彼女は、レッド先輩のもんだって分かってたはずなのに。
「…先輩。」
「ん?」
「そんな恰好で、そんなこというから悪いんスよ。」
「え、わ…、」
俺は彼女の手を引き、キスをした。
突然のことに呆然としている彼女の耳元で、ささやく。
「レッド先輩のところなんて。行かせないッスよ?絶対に。」
アナタにかけられた魔法はとけないみたいです。
いや、もしかしたら、
‘呪い’なのかな、これは。
Where are you going,Miss?
(お嬢さん、どこいくの?)
まあ、いかせないけど。