ずっと夢だったから/もうすぐさよならだから/この世界にきみがいるから
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「分かったのは、昨日なんだ……」
【この世界にきみがいるから】
昨日……その日の夜はなんだか虫酸が走ったような感覚がして、眠れなかった。
なんてことない、いつものこと。
このくらいでナースコールを押すのも嫌だし、トイレで軽く吐いてしまえば楽になるだろう。
そう思って、私は少し薄暗い廊下を歩いてた。
そしたら、
「(あれ……?)」
治療室から明かりがもれているのに気がついたんだ。
「(こんな時間まで診察してるの…?)」
そんなことを思いながら、ふと扉の隙間から覗
いてみると、
「(え…?)」
私の担当医に、それにお父さんとお母さんの姿があった。
お母さんが泣いていて、お父さんはその背中を優しくさする。
「残念ですが、症状が悪化しています。早急に手術を行わなければ…助からないでしょう。」
「手術をすれば助かるんですね!?それなら明日にでも…!」
「…難しい手術です。おそらく成功する確率は30%かと…。娘さんの同意も必要なので、明日話してあげて下さい。」
はっきりと聞こえた、会話の内容。
だけどそれは私の左耳から右耳へ、スッとぬけていく。
何を言ってるか分からない。
ああ、でも…
「そんな!どうしてあの子が……!」
認めざるをえない。
私、死ぬの?
おぼつかない足取りで、私はなんとか病室に戻った。
「くっ……」
鼻の奥がツンとしたかと思えば、ポタポタとまくらに雫が落ちた。
レッド、グリーン、ブルー。
もう会えないの……?
それなら、命があるうちに、やりたいことをやりたい。
悔いは残したくない。
「………そう思って、嘘ついた。どうしても、皆とバトル…したくて、ね…」
目頭が熱くなる。
やだ、泣きたくない。
「…外でれたからもう満足!ごめんね、嘘ついて。戻ろう!」
これ以上皆の顔見てたら涙がでちゃいそうだったから、顔を背けたくて後ろを向いた。
「…さてと、グリーン、バトルしようぜ!」
「………っ!」
レッドの大きな声が、私まで届く。
驚いて思わず振り返った。
「しっかり見てろよ!俺とグリーンのバトル!」
私に向かってレッドはニッと笑いかけた。
「バカレッド!何デリカシーのないこと言ってんのよ!」
「バトルの楽しさを伝えるんだよ!だってもう何年もやってないから、忘れてるかもしれないだろ?」
「楽しさ…?」
「ああ!実際にバトルがやりたかったら、ちゃんと退院してから……な?」
「でも「大丈夫、必ず、うまくいく。」
私の言葉を遮って、レッドが真っ直ぐそう言った。
「…っ!うん…!」
涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「泣かないの!もう!」
ブルーは涙目になりながら、私の頭をよしよしと撫でた。
「待ってるからね!」
「うんっ……!」
「よし、バトルするぞ、グリーン!」
「ああ。」
帰りもプテに乗って病院にもどった私達。
窓から入れば、お父さん、お母さん、先生、全員が集まっていて、お父さんが私を見るなり駆け寄ってきた。
「お前!今までどこ言って「お父さん!私、手術うけるから!」
「!どうしてそれを…!」
「ひみつ!」
皆目を見開いてびっくりしている。
「私、頑張るから!大切な友達のためにも!…ね?」
振り返れば、優しく微笑む彼らがいた。
この世界にきみがいるから
(私は、強くいられる)