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突然雨が降ってきて(それもどしゃぶり!)。
空を見上げると、灰色の雲で覆われていた。
憂鬱になるような薄暗い、空。
【いつになく冷たい雨】
あいにく傘なんて持ってきてなくて、近くの公園のトンネルの中で雨宿りをすることに。
「最悪。雨降らないって言ってたのに~…」
今朝見た天気予報を思い出しながら文句を言う私。
自分の声だけが虚しくトンネル内に響いた。
1人でこんなところにいてもつまんないな。
でも濡れるの嫌だしな。
というか、止むのかなあ…雨。
はあ…とため息をついたとき、トンネルの外から他の人の気配がした。
不思議に思ってひょっこり顔だけだしてみると、イエローがいた。
綺麗な金髪は、先までびしょ濡れで。
寒そうに体を震わせていた。
イエローも傘忘れたのかな。
トンネルの中入ればいいのに、なんでわざわざ濡れるところに立ってるんだろう。
「イエ…」
「イエロー!!」
彼女を呼ぼうとした私の声は、第三者の声にかき消される。
トンネル内から見えたのは、赤い上着。
……ああ、なるほど。
ズキン、と痛む胸を押さえて私はトンネルに隠れるように瞬間的に身体を引っこめる。
「レッドさんっ!」
イエローのすごくうれしそうな声が聞こえて、水たまりを踏む音から彼の元へと近づいたのが分かった。
またそっと顔をのぞかせれば、
イエローはちゃんとレッドの傘の中に入っていて。
「こんなにずぶ濡れになって…!ダメだろ、傘持ち歩かなきゃ!」
「ごめんなさい。」
「つーかせめてトンネルの中にいればよかったのに。」
「それじゃあレッドさんが来てくれたこと、すぐに分かりませんから。」
エヘヘと笑うイエローつられ、レッドも苦笑していた。
「さっ、早く帰ろーぜ。このままじゃ風邪ひいちゃうもんな。」
「はい。」
遠ざかっていく2人の姿を見届けて、私はトンネルからでた。
もちろん雨は降っている。
だけど、もう濡れてもいい…むしろ濡れたい気分だった。
なんて…なんて、タイミングが悪いんだろう…。
こんなの見たくなかったよ。
「…つくづく、運が悪い日だなあ。」
そんなつぶやきが、涙と同時にこぼれた。
私の好きな人には、好きな人がいます。
これは、けして実らない恋。
「(レッド…)」
雨の中、アナタを思って激しく泣いた。
私に降り注いだのは、
いつになく冷たい雨だった。
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