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ダッダッダッ……
「「!」」
ドンッ!!
【忘れるなんて嫌だったから】
廊下を走っていたら、勢いよく誰かとぶつかった。
私は反動で後ろに尻餅をつく。
「いたた…。ごめ「お前どこ見てんだよ!気をつけろよな!」
謝ろうとしたら、ぶつかった子が頭をガシガシ掻きながら文句を言ってきた。
なんなの!?ムカつくー!
こういう時って手を差しのべて「大丈夫か?」って言うべきでしょ!!
て、あれ…?
この子、確か同じクラスの…。
「もう!やつあたりしないの!ごめんね、大丈夫?」
後ろから女の子がでてきて、私に手を差しのべてくれた。
ああ、この子も見たことある。
隣のクラスの……クリスちゃんだ。
「あは、平気…。ごめんね、ゴールドくん。」
「?何で俺の名前を…?」
「だって同じクラスだもん。」
「マジかよ!?」
「ちょっとゴールド、クラスメートぐらい覚えておきなさいよ!」
「うーん……」
ゴールドくんは懸命に私を思いだそうとしてるみたい。
「……ああ!お前、窓側の一番後ろの席にいた奴か!わりい、地味で鈍くさいから印象に残ってなかった。」
コイツ…!!
ゲシッ!
「バカ!そんなんだからモテないのよ!」
クリスちゃんの蹴りがゴールドくんに直撃。
「いってぇな!何すんだよ、クリス!」
「ごめんね、コイツ見てのとおりバカだから、さっきの言葉気にしないで?」
両手を合わせ、私に謝るクリスちゃん。
「あ、平気。気にしてないから。」
「ほら、気にしてないって言ってんだからいいじゃねーか。それにしてもお前、よく俺の名前知ってたな?」
「だってゴールドくん目立つもの。」
「へへ!まあな!」
ゴールド君は得意気に笑った。
「バカでお調子者で悪ふざけばっかりだから。」
「「……………」」
この場が凍りついたように静まり返る
「あの……さっきのこと根にもってる…?」
「全然v」
「「………」」
「クリス、ゴールド…、先生がよんでたぞ?」
そこに、赤髪の男の子がやってきて、2人に声をかけた。
「あ?ああ。」
「ほんとにごめんね。」
クリスちゃんが最後にもう一度私に謝って、2人は慌ただしく階段を降りていった。
残された私と1人の男の子。
この男の子、名前何だっけ?
よくゴールドくんとつるんでたから、同じクラスだと思うんだけど…。
なんだっけ、なんだっけ…。
名前聞くの失礼だけど……気になるし……。
「あの……、」
「……シルバー、だ。」
「そうだ!シルバーくんだ!!」
あ、声にだしちゃった。
あー、でもスッキリした!
「同じクラスの奴の名前ぐらい覚えとけ…。」
「う、うん!ごめん…。」
あれ?
「そーゆーシルバーくんは、私の名前分かるの?」
「………ああ。」
シルバーくんは私に近寄り、耳元で私の名前を囁いた。
「だろ?」
「……!正解…。」
名前を覚えてもらってた。
ただそれだけなのに、なんだか嬉しくなって、胸が高鳴ってて。
彼はポケットに手をつっこみ、歩きだした。
「シルバーくん!」
彼は振り返り、不思議そうな顔で私を見た。
忘れるなんて嫌だったから
(思わず名前を呼んだ。)
(これでもう忘れないよ。)