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私がお日様の光を
浴びる日がくるなんて、
これっぽっちも
思ってなかった
【今日も空が青いから】
「あっつーい…」
私は持っていたスケッチブックをうちわがわりにし、パタパタと風をおくる。
でも伝わってくるのは生ぬるい居心地の悪い風。
「…私みたい…」
なんて、自嘲気味に言ってみる。
私、昔っから引っ込み思案で、決断力もないし…。
周りに嫌われないようにって、黙ったままただただ笑ってた。
そしたら…、
『ちょっと、はっきりしてよ!』
『何も言わないなら、いてもいなくても意味ないじゃん!』
『え……あの、私…』
『もういいよ!行こう!』
『うん。』
『ちょっと待って…』
『こないで、もう友達じゃないから。』
気がつけば、1人ぼっち。
それからは友達なんてつくる勇気…なくなって。
ううん、友達なんて必要ない。
…………どうせは裏切られるんだもの。
「あは……、いてもいなくても意味ない、か…。」
私はしゃがみ、雑草を一本…抜いた。
「だったら、消えちゃえばいいのに…。」
こんな私、ここからいなくなればいい。
誰の役にもたたないなら、消えてしまえばいい。
「おわっ!?」
ガサガサガサ……
ドサッ
「え…!?」
私の目の前には帽子をかぶった男の子が。
……まさか…、木の上から落ちてきた…?
男の子は私の視線に気がつくと、起き上がりよっ、と挨拶した。
「見苦しいとこ見せちまったな!俺はゴールドっつうんだ!」
「え…ああ……はあ…。」
なんなの…この子…。
「お前、消えちゃえばいい…とか言ってたか?」
「!」
「わりい…。木の上でうたた寝してたら声が聞こえてきてよお…。つい出てくタイミング失って…全部聞いちまった。」
「………。」
「何があったか知らねーけど、そんなに辛いことなら誰かに相談したほうがいいぜ?友達とか家族とか。」
どうして皆、私のことなんて知らないくせに、分かったようなこと言うの?
「アンタに何が分かるっていうの!?友達なんていないから…!必要ないし!」
私はスケッチブックを持って、その場から逃げるように走り出した……、つもりだったのに…
「…っ、離してよ!」
腕を捕まれ、動けない。
「そんな…、悲しいこと言うなよ。」
「離し、て……」
捕まれた手があたたかい。
ああ、久々にぬくもりを感じた…。
「だったら俺が教えてやるよ!友達の楽しさをな!」
「え……」
「俺の友達にお前を紹介してやるっつってんの!心配すんなって!皆いい奴だから!」
「ちょっ……どうして私にかまうの!?」
「どうしてって言われてもなあ…。」
今日も空が青いから
(ただ俺がそうしたかっただけ。)
(……つまらなかったら帰るから。)
(まかせとけって!)