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お前を笑顔にできるのは、
ずっと俺だけだと思ってた…、
でも……、
【キミの幸せは、ボクの幸せ?】
「ゴールド!聞いて聞いて聞い「だぁー!もううっせえ!」
ポケモンと修行して休憩していたところに、やけにハイテンションのうるさい女がやってきた。
露骨に嫌な顔をしてみても、微動だにしねえ。
マイペースっつーか、自由気ままっつーか。
昔から何も変わってねえ、コイツの性格。
そんなコイツを………、俺は気がつけば好きになっていたんだ。
「さっきねさっきね、レッドさんに会ってね、ちょっとお話したの!」
「あーそうですか。よかったな。」
「ねえー、ちゃんと聞いてよ!」
聞きたくねえよ、お前の好きなヤツの話なんて。
俺はコイツが好きで、コイツは1つ年上のレッド先輩か好き。
なんでも、レッド先輩が優勝した年のポケモンリーグを、テレビ中継で見ていて、一目惚れしたらしい。
ったく、俺だってポケモンバトル強いほうだっつーのによ。
コイツは俺には見向きもしねえ。
しかもレッド先輩と接点のある俺に、「紹介して!」とか頼みこんできやがった。
人の気も知らねえで…。
俺も俺で、そんときに断れば良かったんだ。
なのに怒りからか投げやりな気持ちになって、「協力してやるよ」って言っちまった…。
「なによー………。あっ、もうこんな時間!あたし帰るね!」
……コイツはいつも突然来て、突然帰っていく。
突然すぎて驚かされるけど、
「じゃあ、ゴールド!またねー!」
「………おう。」
微かに、確かに、
コイツが隣にいるときは、幸せを感じている俺がいるんだ。
「おっ、いたいた!ゴールド!」
アイツが帰ってすぐ、入れ替わるようにレッド先輩がやってきた。
「先輩!どーしたんスか?」
正直レッド先輩には嫉妬してるけど、先輩としてすごく慕ってるから、嫌いにはなれねえ。
「あのさ、前にお前の友達だっつってた子いるだろ?さっきあの子にあったんだけど…、」
「ああ。今さっきまでここにいたんスよ。レッド先輩に会えたって喜んでたッス。」
「そ、そうなのか…?//」
レッド先輩は少し赤くなる。
え、なんだ、その反応。
「俺、さ」
「はい?」
「あの子のこと好きかもしれない。」
「………はっ!?」
「いや、なんか喋ってて楽しいし、仕草とか可愛いし…。今日もすっげー可愛い顔で笑っててさ。」
そんなの俺が一番よく知ってるっつーの。
アイツのことは、俺が一番……。
「だから今から、俺、告白してくるな!」
「…………え?」
「今言わないときっと言えなくなって、後悔すると思うし。」
「……そうッスか。」
先輩は俺にできないことをいつも軽々とやってのける。
今、長年俺がずっと戸惑い続けていたことを、やろうとしている。
でも俺はやっぱり勇気がでなくて、
「じゃ、行ってくんな。」
かっこいい先輩の背中を羨ましく見てるだけ。
俺、最後まで情けねえな…。
次にアイツに会った時、
アイツはきっと、レッド先輩の横で幸せそうに笑ってるんだ。
しあわせなままでいるのには
どうしたらよかったんだろう
(きっと皆が幸せになる方法なんてない。)
(それならせめて、アイツだけは笑ってられるように。)
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