愛しい時間
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「ねえ、もしかしてマリッジブルー?」
『…は?』
「だってゴールド。最近会ってもすぐ帰ろうとするし、なんかどっか上の空だし、こうして電話してもそっけないしさ。」
『んなことねー、』
「この電話の第一声だって、なんか用?、だったもん。」
『…。』
「ほらね、マリッジブルーだ。」
『…あのなあ、マリッジブルーってたいてい女がなるもんだろ。俺、男だから。』
「いいじゃん別に。この前の女装似合ってたし。」
『よくねえ!つーか、お前…!なんで知って…!?』
「ブルーさんの家に行ったとき引き出しあさったら出てきた。」
『命知らずなことするなよ、頼むから。』
「…別に私がどうなったって、ゴールド、どうでもいいんでしょ?」
『なんかお前今日荒んでるな。』
「誰のせいだと思ってんの?ふん。ゴールドって釣った魚にはえさをやらないタイプだったんですか。そうですか。」
『あのなあ…』
「仮にも私、もうすぐゴールドのお嫁さんになるんだよ?もっと優しくしてよね。」
『ははーん。なんだよ。俺がかまってくれなくてさみしかったのか。素直にそう言えばいいのに。』
「そんな調子にのったセリフでしのげると思ってんの?」
『…。んじゃあ、どうすりゃあ許してくれるわけ?俺が謝れば満足?』
「何その上から目線。悪いって思ってない人に謝られてもどうも思わないから。」
『はあ…、たく。』
「…っ、何でゴールドがため息つくの!もう…ありえない、し」
『…イミテ?』
「なに。」
『もしかして泣いてんのか?』
「…、泣いてなんかない。」
『声、震えてる。』
「!」
『……あのさ、俺今すげえ疲れてて、お前に当たっちまっ「もういいよ。」
『…なにが?』
「私達、思えば喧嘩ばっかりだったじゃん。このまま結婚しても無理だよ、きっと。」
『お前、何言って、』
「もういい。最近ずっと考えてたの。本当にこの選択で合ってたのかなって。私も、ゴールドも、幸せになれるのかなって。」
『…。』
「もう、ね、苦しいの。」
『嫌いになった?俺のこと。』
「…。」
『イミテ。』
「……好き、だよ。」
『なら、』
「でも私は自信がないの。ゴールドに大切に思われてる自信も、これから幸せな未来をつくっていく自信も、後悔しない自信も。何も、ないの。」
『…。』
「いっぱいいっぱいで、自分のことで精一杯なのに…こんなんじゃ、無理だよ。『バカ。』
「!な…、」
『マリッジブルーになってんの、お前の方じゃねぇか。』
「…。」
『…そんな自信、なくていい。』
「!」
『もっと俺を信じろよ。プロポーズのとき、俺がぜってぇ幸せにするつったのもう忘れたのか?』
「お、覚えてるに決まってるじゃない!」
『だったら何も言わずに、何の不安も感じずに、ただ俺に頼ってりゃあいいだけの話だろ。』
「…そんな簡単に言って…」
『それに俺は、大切に思ってねえ奴にプロポーズするほどバカじゃねえよ。』
「!」
『よし。解決!』
「…」
『はー!焦った焦った。ここまできて婚約破棄とか、笑い話じゃすまねえしな!』
「…」
『その無言、イミテは、まだ納得してないわけ?』
「…私の気持ちなんて、何にも分かってないくせに。上手いこといって、ごまかしてばっか。」
『…たく、しょーがねーなあ!本当に結婚なしになっちまったら困るから、俺が今日1日何やってたか教えてやるよ。』
「え…?」
『レッド先輩の家で、レッド先輩とブルー先輩と作戦会議。』
「作戦…?何の…?」
『決まってんだろ。結婚式の。』
「へ…!?だってゴールド、業者に任ようって…!」
『それはブルー先輩がそう言えっつったから。お前に内緒にしといて当日びっくりさせるんだって、はりきってたんだぜ?』
「そ、それ!今ばらしちゃダメでしょ!?」
『イミテの機嫌がなおらねーんだから仕方ねえだろ?あ、でもお前、当日は知らねえふりしろよ?』
「むずかしいな、それ…」
『つーかイミテに薄々気づかれてると思ってたんだけどな。業者に頼むっつってもプランの打ち合わせとかするだろ、普通。』
「(全く気づかなかった…!!)」
『ちなみにブルー先輩は進行担当。なんか途中途中にいろんなサプライズ用意して、びっくりさせるらしいぜ。』
「え、」
『で、レッド先輩はポケモン使った出し物で盛り上げて、グリーン先輩は招待状の準備。イエロー先輩は花とか飾り付け担当。ルビーはもちろんウエディングドレス製作で、サファイアは音楽担当。』
「!?」
『それと、クリスは引き出物とか受け付けとかの準備。シルバーは…ぷっ、笑うなよ?ウェディングケーキ用意するんだとよ!』
「そんな…皆…」
『で、それを全部まとめてたのが俺様っつーわけだ!だから、お前と会う時間つくれなかったのは忙しかったからだし、そっけなかったのは疲れてたから!分かったか!?』
「…。」
『おい。イミテ?』
「私…皆が何かしてくれてたこと、何も知らなくて…。」
『そりゃあ内緒にしてたわけだからなあ。』
「ゴールドだって、私のためだったのに…。ごめん、ね。」
『だーかーらー!泣くなって!皆にこんなに大事にされてるお前泣かせると、あとがこえーんだよ!』
「だって、嬉しいのと申し訳ないので、いっぱい、で」
『たく…、』
「仕方ねぇなあ。」
「…え!?」
夜空の時間
(泣きやませに来てやったぜ!)
(なんて、)
(窓ガラスの外に見えたのは)
(私の大好きな笑顔を浮かべたアナタと)
(まぶしいぐらいの星空でした)