一番甘い匂いはどこから?
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ…」
と思ったのもつかの間、フォンフォンフォン…と耳の奥で甘い音が反響する。
目の前のムチュールは“メロメロ”が私にしっかりと当たったのを見て、ほっとした顔をして、そのまま背を向け逃げ出した。
「〜っ、、」
思わず追いかけようとすれば。視界が揺れてその場に倒れ込む。
“メロメロ”なんて、初めてくらった。
頭がぼーっとする。こんな感覚になるのか。
パートナーのロコンが心配そうに私に近づく。
耳を伏せて、守れなくてごめん、とでも言っているよう。
ロコンはいいんだよ、コンテストでたくさん頑張ってくれてるんだもの。
むしろロコンに怪我があったほうが大変。
「ロコン、…」
言おうとするけど、続きを何一つ口に出せない。そもそも口が重くて何度も動かない。
かろうじて、ロコン、の発音は何度も口にしたから出た感じだ。
身体も動かしづらい。
………でも、意識ははっきりしてきた。
手を動かす!、と強く思って、ロコンの頭をふわっと撫でる。あ、動いた。
そのままなんとか立ち上がる。
身体は……強く自分に命令すれば動くかも。
「…、」
行こう、と言う言葉はまた音にならなくて、とりあえず目的地のトキワジムに向かって歩き出す。
今日が皆で集まる日でよかった。皆がいれば…誰かしら何とかしてくれるでしょ。
トキワジムに着いて、裏口のドアのインターホンを押す。
『お前らはここから入れ。いつもいつも正面から入るな挑戦者と紛らわしい』と以前グリーンに注意されたから。
ドアはいつも鍵がかかっていないみたいだけど(オーキド一家はカギをかける習慣がないの?)ズカズカとそのまま入るほど図々しくはなれないから、私は毎回律儀にインターホンを鳴らす。
「はい?」
「……、」
聞こえたのはゴールドの声。
ちょっとぎこちないけど身体は動くようになった。だからインターホンもおせたんだけど…、でも、声はまだでない。
どうしよう…、と思っていると、ガチャッとドアがあいた。
「やっぱり先輩だ!どーしたんスか、黙りこくって。」
「…っ、」
パアッと犬みたいななつっこい笑顔で出迎えたゴールド。
くらり、脳が揺れた感じがした。なにこれ…。
「先輩?なんか熱あるッスか?せんぱーい?」
「…」
正面から話されてるはずなのに耳元で音が反響して、ぞわぞわする。
……とりあえず、中に入ろう。
グリーンかブルーがいれば、気づいてくれるだろう。
「…。」
「ええ、無視!?ほんとどうしたんスか。」
靴を脱いでズカズカと奥に進む。
応接室には、もうすでに思ったより人がいた。
手前の二人がけのソファの端にイエローがちょこんと座り、その横の1人席にはブルー。イエローの向かいの奥側のソファにレッドが座っていた。
グリーンは入口のすぐそばにいて、両手にマグカップを持ってたから、飲み物を皆に運んでいたのかもしれない。
「お前、目が」
「(あれ、)」
吸い寄せられるように、さっきまで重かった足が動く。
「は、」
そのままソファの上に膝をのせて、そのままの勢いで、レッド抱きついた。
強張ったのが、反応でわかる。
でも予想外にも結構しっかり抱き止めてくれた。
ポケモンたちに接している要領で抱きとめているのかもしれないけど。
「え…!?」
「あら。」
「は!?先輩なにしてるんスか!」
「お前、なにしてる、」
意識ははっきりしているから、四人の声は聞こえているし、声色からゴールドとグリーンとイエローが驚いているのも、ブルーはあんまり驚いてはいなくて楽しんでいるのも分かっている。
「(ごめん、無理ー)」
…でもなんか、このままくっついていたいし、離れられない。
ぎゅっとすると、レッドの匂いがして、……やっぱり匂いで脳が揺れる。
やっぱりこれ、“メロメロ”の効果だよねぇ。
……でも、イエローが……レッドの事好きなんじゃなかったっけ。
この状況、彼女から見たら私、相当嫌な事してるじゃん。どうしよ。イエロー、どんな顔してるかな。
あ、というか、イエローがいるなら……、
「ロコン、を…」
声を振り絞る。
「ロコン…?あ!」
「見てみますね!!」
続きは何も言えてないけど、伝わったみたい。
抱きついたままだから彼らの様子は見えないけど、イエローはきっとトキワの力を使って、ロコンの考えてる事をみているだろう。
「!分かりました、“メロメロ”が当たっちゃったみたいです!」
「“メロメロ”って…」
「自分と相手の性別が違うとき、相手が攻撃を出しづらくなるワザだな。」
「人に当たると、異性に甘えたくなる効果がでるってことッスか!?」
「それならゴールドが真っ先にこの子の顔みたんだから、ゴールドが対象になるはずでしょ。」
「え、でも俺に抱きつかなかったって事は…」
「ゴールドを異性としてみてないってことかしら?弟とでも思ってるんじゃないの?」
「はあ!!??そりゃあないッスよ!先輩!!」
ゴールドが大きな声をあげる。
さっきまで甘く聞こえていた声も、目の前の匂いの方が甘くて気にならない。
「あ、でも違うわね。この部屋に入って一番近くにグリーンがいたはずだから、たとえゴールドが対象外だとしても、グリーンに抱きつくはずだわ。グリーンが異性として認識されてないはずないもの。」
「…でも、グリーンさんのこと素通りでレッドさんの方に行ったってことは…。」
「あ!特に気になる相手に本能的にくっついちゃうとか!」
「「え!!」」「…。」
いやいや待ってブルー。それ、私も『え!』なんだけど。
レッドとはずっと一緒に旅もしてたし、幼馴染だけど、恋愛感情をもったことはなくて。
あれでも、私………
(今、すごく心地良いし、安心するし)
(ドキドキしてる)
というか、レッドがさっきからだいぶ静か。
イエローがレッドのこと好きだし、カスミもレッドのこと好きって聞いてたし。
私、くっついてていいの?
レッドはレッドで好きな人いないの?
レッドに意中の相手がいるなら、ましてやそれが目の前にいるイエローなら、私のことは慌てて引き離すだろうし、それをしないってことはどうなんだろう?
そう思いちょっと顔を離して彼の目をジッと見ると、これまた意外にも頬を少し赤くそめて、恥ずかしげに目が泳ぐ。
え、なにそれ。
「(レッドが……イエローの事好きじゃないんなら…)」
………もう、いいか。
もう一度、彼の首元に顔をうずめる。
びくっ!と、レッドの身体がこわばったのが分かった。
‥…でも、落ち着く匂い。
良い匂いに感じると遺伝子的に相性が良い相手だって聞いたことあるけど、ほんとかな。
「ええ…。」
「ブルー、なんとかしろ。」
「無理じゃない?離れられる?」
「……。」
「嫌って言ってるわ。」
「無言ッスよ!?」
「雰囲気が嫌って言ってるのよ。“メロメロ”の効果がきれるまでこのままでいい?」
「どのくらいでおさまるんでしょうか?」
「んー、たぶん5時間ぐらいじゃない?」
「5時間!?」
「いいわけないだろ。ほら。」
グリーンに首を掴まれて引き離されそうになるけど、必死にしがみついて抵抗。
「「「「…‥…。」」」」
「ま、こんなに嫌がってるわけだし!レッドも減るもんじゃないからいいでしょ?」
「減るもんとかそういうもんじゃなくて……ブルーお前、楽しんでるだろ!」
硬直して黙っていたレッドの声が聞けて。
声も、甘い。
「レッド、」
「「「「!」」」」
あ、声出た。
「…大丈夫か?」とちょっと恐る恐る、背中をさすってくれる。
「ぅー……」
「気持ち悪いッスか!?」
「吐く!?」
気持ち悪くはなくて。
むしろ気持ちよくて。
甘い匂いに声に、心配してくれるその雰囲気にのまれてしまう。
え、私ほんとにレッドのこと好きなのかな。
愛おしい、なんて。
「……おい。レッド。支えてる手を離せ。」
「え、なんで、」
「いいから。」
「…。」
スッと、背中に回されていた手が離れた。
「ひゃ!!」
直後、グリーンに脇腹をなぞられて、思わず悲鳴。
そのまま後ろにのけぞって、レッドの上に座るっていう、不安定な体制でいたからバランスが崩れる。
わ、やば、
レッドが反応するより早く。
グリーンがそのまま、私を受け止めた。
ソファに座るレッドの上に座ったまま、前にレッド、背中側にグリーン。ついでに重心は全部グリーン、な体制。
ちょ、恥ずかし
「、」
相変わらず文章喋ろうと思っても喋れない。
そのままぐいっと上に引っ張られて持ち上げられ、しっかり立たされた。
あ、強制終了。
「あらら。面白かったのに。」
私も、もう少しそのままでいたかったのに、なんて気持ちが心の奥底にある。
でももう“メロメロ”の効果も薄れてきたのかな。もう一回抱きつきに身体が動くなんてことはなくて。
それにしても、くすぐるなんて反則。
本当に吐きそうだったら吐いてたよ!?
「へ、」
「!」
「‥‥あら。」
ぐいっと腕を引っ張られて半回転されて、グリーンにぎゅっと抱きとめられた‥‥。というか、抱きしめられてない!?
え、なに、どーゆー状況!?
「…また、ほいほい抱きつかれたら困るからな。」
「あ、え、」
「なんだ。」
「、」
だからまだ喋れないんだってば!
「グリーン先輩にはいいんスか?」
ゴールドが、私の気持ちを代弁したかのように聞いた。
「いい。だから、今後一切俺以外の男に抱きつくな。」
「「「!?」」」
それってどういう意味…!?
まさかグリーンにそんな事言われると思ってなくて。
ふいうちに、なんだか一気に恥ずかしくなって、顔が‥あつい。
“メロメロ”が薄れてきたと思ったのに、触れているところが甘く感じる。
「グリーンもいつの間に“メロメロ”をうけたのかしら!」
「うるさい女だ。」
「…。」
気恥ずかしくなって離れようとしたら、頭をギュッとおさえられる。
え、なにこれ、離す気ない?
というか、グリーンのにおいもめっちゃいい匂い。なんなら、レッドより落ち着く。……え??
(それって私、)
(レッドじゃなくてグリーンを…)
そんな中、パシャッとシャッター音。
シャッター音????
まさか…
「!」
バッとグリーンが押さえる手をふりほどき、身体を離してブルーの方をみると、案の定カメラを構えていた。
「良いもの撮れたわ!」
「ブルー、消して!!」
「先輩、声!」
「あら、ワザの効き目、きれちゃったみたいね。」
「〜っ、、」
完全に覚めましたとも。
というか、覚まされました。
「レッド、なんとか」
なんとか言ってよ、という言葉は、途中で止まる。
だって、なんでそんな隣りにいるイエローがレッドに向けてるのとおんなじで、
普段カスミとイエローが、誰か別の女の子とレッドが話してる時にするみたいな、面白くなさそうな顔をグリーンに向けてるの。
え…………?
一番甘い匂いはどこから?
(なんだか色々)
(見えないもの、見たくないものまで)
(気づいてしまった)
と思ったのもつかの間、フォンフォンフォン…と耳の奥で甘い音が反響する。
目の前のムチュールは“メロメロ”が私にしっかりと当たったのを見て、ほっとした顔をして、そのまま背を向け逃げ出した。
「〜っ、、」
思わず追いかけようとすれば。視界が揺れてその場に倒れ込む。
“メロメロ”なんて、初めてくらった。
頭がぼーっとする。こんな感覚になるのか。
パートナーのロコンが心配そうに私に近づく。
耳を伏せて、守れなくてごめん、とでも言っているよう。
ロコンはいいんだよ、コンテストでたくさん頑張ってくれてるんだもの。
むしろロコンに怪我があったほうが大変。
「ロコン、…」
言おうとするけど、続きを何一つ口に出せない。そもそも口が重くて何度も動かない。
かろうじて、ロコン、の発音は何度も口にしたから出た感じだ。
身体も動かしづらい。
………でも、意識ははっきりしてきた。
手を動かす!、と強く思って、ロコンの頭をふわっと撫でる。あ、動いた。
そのままなんとか立ち上がる。
身体は……強く自分に命令すれば動くかも。
「…、」
行こう、と言う言葉はまた音にならなくて、とりあえず目的地のトキワジムに向かって歩き出す。
今日が皆で集まる日でよかった。皆がいれば…誰かしら何とかしてくれるでしょ。
トキワジムに着いて、裏口のドアのインターホンを押す。
『お前らはここから入れ。いつもいつも正面から入るな挑戦者と紛らわしい』と以前グリーンに注意されたから。
ドアはいつも鍵がかかっていないみたいだけど(オーキド一家はカギをかける習慣がないの?)ズカズカとそのまま入るほど図々しくはなれないから、私は毎回律儀にインターホンを鳴らす。
「はい?」
「……、」
聞こえたのはゴールドの声。
ちょっとぎこちないけど身体は動くようになった。だからインターホンもおせたんだけど…、でも、声はまだでない。
どうしよう…、と思っていると、ガチャッとドアがあいた。
「やっぱり先輩だ!どーしたんスか、黙りこくって。」
「…っ、」
パアッと犬みたいななつっこい笑顔で出迎えたゴールド。
くらり、脳が揺れた感じがした。なにこれ…。
「先輩?なんか熱あるッスか?せんぱーい?」
「…」
正面から話されてるはずなのに耳元で音が反響して、ぞわぞわする。
……とりあえず、中に入ろう。
グリーンかブルーがいれば、気づいてくれるだろう。
「…。」
「ええ、無視!?ほんとどうしたんスか。」
靴を脱いでズカズカと奥に進む。
応接室には、もうすでに思ったより人がいた。
手前の二人がけのソファの端にイエローがちょこんと座り、その横の1人席にはブルー。イエローの向かいの奥側のソファにレッドが座っていた。
グリーンは入口のすぐそばにいて、両手にマグカップを持ってたから、飲み物を皆に運んでいたのかもしれない。
「お前、目が」
「(あれ、)」
吸い寄せられるように、さっきまで重かった足が動く。
「は、」
そのままソファの上に膝をのせて、そのままの勢いで、レッド抱きついた。
強張ったのが、反応でわかる。
でも予想外にも結構しっかり抱き止めてくれた。
ポケモンたちに接している要領で抱きとめているのかもしれないけど。
「え…!?」
「あら。」
「は!?先輩なにしてるんスか!」
「お前、なにしてる、」
意識ははっきりしているから、四人の声は聞こえているし、声色からゴールドとグリーンとイエローが驚いているのも、ブルーはあんまり驚いてはいなくて楽しんでいるのも分かっている。
「(ごめん、無理ー)」
…でもなんか、このままくっついていたいし、離れられない。
ぎゅっとすると、レッドの匂いがして、……やっぱり匂いで脳が揺れる。
やっぱりこれ、“メロメロ”の効果だよねぇ。
……でも、イエローが……レッドの事好きなんじゃなかったっけ。
この状況、彼女から見たら私、相当嫌な事してるじゃん。どうしよ。イエロー、どんな顔してるかな。
あ、というか、イエローがいるなら……、
「ロコン、を…」
声を振り絞る。
「ロコン…?あ!」
「見てみますね!!」
続きは何も言えてないけど、伝わったみたい。
抱きついたままだから彼らの様子は見えないけど、イエローはきっとトキワの力を使って、ロコンの考えてる事をみているだろう。
「!分かりました、“メロメロ”が当たっちゃったみたいです!」
「“メロメロ”って…」
「自分と相手の性別が違うとき、相手が攻撃を出しづらくなるワザだな。」
「人に当たると、異性に甘えたくなる効果がでるってことッスか!?」
「それならゴールドが真っ先にこの子の顔みたんだから、ゴールドが対象になるはずでしょ。」
「え、でも俺に抱きつかなかったって事は…」
「ゴールドを異性としてみてないってことかしら?弟とでも思ってるんじゃないの?」
「はあ!!??そりゃあないッスよ!先輩!!」
ゴールドが大きな声をあげる。
さっきまで甘く聞こえていた声も、目の前の匂いの方が甘くて気にならない。
「あ、でも違うわね。この部屋に入って一番近くにグリーンがいたはずだから、たとえゴールドが対象外だとしても、グリーンに抱きつくはずだわ。グリーンが異性として認識されてないはずないもの。」
「…でも、グリーンさんのこと素通りでレッドさんの方に行ったってことは…。」
「あ!特に気になる相手に本能的にくっついちゃうとか!」
「「え!!」」「…。」
いやいや待ってブルー。それ、私も『え!』なんだけど。
レッドとはずっと一緒に旅もしてたし、幼馴染だけど、恋愛感情をもったことはなくて。
あれでも、私………
(今、すごく心地良いし、安心するし)
(ドキドキしてる)
というか、レッドがさっきからだいぶ静か。
イエローがレッドのこと好きだし、カスミもレッドのこと好きって聞いてたし。
私、くっついてていいの?
レッドはレッドで好きな人いないの?
レッドに意中の相手がいるなら、ましてやそれが目の前にいるイエローなら、私のことは慌てて引き離すだろうし、それをしないってことはどうなんだろう?
そう思いちょっと顔を離して彼の目をジッと見ると、これまた意外にも頬を少し赤くそめて、恥ずかしげに目が泳ぐ。
え、なにそれ。
「(レッドが……イエローの事好きじゃないんなら…)」
………もう、いいか。
もう一度、彼の首元に顔をうずめる。
びくっ!と、レッドの身体がこわばったのが分かった。
‥…でも、落ち着く匂い。
良い匂いに感じると遺伝子的に相性が良い相手だって聞いたことあるけど、ほんとかな。
「ええ…。」
「ブルー、なんとかしろ。」
「無理じゃない?離れられる?」
「……。」
「嫌って言ってるわ。」
「無言ッスよ!?」
「雰囲気が嫌って言ってるのよ。“メロメロ”の効果がきれるまでこのままでいい?」
「どのくらいでおさまるんでしょうか?」
「んー、たぶん5時間ぐらいじゃない?」
「5時間!?」
「いいわけないだろ。ほら。」
グリーンに首を掴まれて引き離されそうになるけど、必死にしがみついて抵抗。
「「「「…‥…。」」」」
「ま、こんなに嫌がってるわけだし!レッドも減るもんじゃないからいいでしょ?」
「減るもんとかそういうもんじゃなくて……ブルーお前、楽しんでるだろ!」
硬直して黙っていたレッドの声が聞けて。
声も、甘い。
「レッド、」
「「「「!」」」」
あ、声出た。
「…大丈夫か?」とちょっと恐る恐る、背中をさすってくれる。
「ぅー……」
「気持ち悪いッスか!?」
「吐く!?」
気持ち悪くはなくて。
むしろ気持ちよくて。
甘い匂いに声に、心配してくれるその雰囲気にのまれてしまう。
え、私ほんとにレッドのこと好きなのかな。
愛おしい、なんて。
「……おい。レッド。支えてる手を離せ。」
「え、なんで、」
「いいから。」
「…。」
スッと、背中に回されていた手が離れた。
「ひゃ!!」
直後、グリーンに脇腹をなぞられて、思わず悲鳴。
そのまま後ろにのけぞって、レッドの上に座るっていう、不安定な体制でいたからバランスが崩れる。
わ、やば、
レッドが反応するより早く。
グリーンがそのまま、私を受け止めた。
ソファに座るレッドの上に座ったまま、前にレッド、背中側にグリーン。ついでに重心は全部グリーン、な体制。
ちょ、恥ずかし
「、」
相変わらず文章喋ろうと思っても喋れない。
そのままぐいっと上に引っ張られて持ち上げられ、しっかり立たされた。
あ、強制終了。
「あらら。面白かったのに。」
私も、もう少しそのままでいたかったのに、なんて気持ちが心の奥底にある。
でももう“メロメロ”の効果も薄れてきたのかな。もう一回抱きつきに身体が動くなんてことはなくて。
それにしても、くすぐるなんて反則。
本当に吐きそうだったら吐いてたよ!?
「へ、」
「!」
「‥‥あら。」
ぐいっと腕を引っ張られて半回転されて、グリーンにぎゅっと抱きとめられた‥‥。というか、抱きしめられてない!?
え、なに、どーゆー状況!?
「…また、ほいほい抱きつかれたら困るからな。」
「あ、え、」
「なんだ。」
「、」
だからまだ喋れないんだってば!
「グリーン先輩にはいいんスか?」
ゴールドが、私の気持ちを代弁したかのように聞いた。
「いい。だから、今後一切俺以外の男に抱きつくな。」
「「「!?」」」
それってどういう意味…!?
まさかグリーンにそんな事言われると思ってなくて。
ふいうちに、なんだか一気に恥ずかしくなって、顔が‥あつい。
“メロメロ”が薄れてきたと思ったのに、触れているところが甘く感じる。
「グリーンもいつの間に“メロメロ”をうけたのかしら!」
「うるさい女だ。」
「…。」
気恥ずかしくなって離れようとしたら、頭をギュッとおさえられる。
え、なにこれ、離す気ない?
というか、グリーンのにおいもめっちゃいい匂い。なんなら、レッドより落ち着く。……え??
(それって私、)
(レッドじゃなくてグリーンを…)
そんな中、パシャッとシャッター音。
シャッター音????
まさか…
「!」
バッとグリーンが押さえる手をふりほどき、身体を離してブルーの方をみると、案の定カメラを構えていた。
「良いもの撮れたわ!」
「ブルー、消して!!」
「先輩、声!」
「あら、ワザの効き目、きれちゃったみたいね。」
「〜っ、、」
完全に覚めましたとも。
というか、覚まされました。
「レッド、なんとか」
なんとか言ってよ、という言葉は、途中で止まる。
だって、なんでそんな隣りにいるイエローがレッドに向けてるのとおんなじで、
普段カスミとイエローが、誰か別の女の子とレッドが話してる時にするみたいな、面白くなさそうな顔をグリーンに向けてるの。
え…………?
一番甘い匂いはどこから?
(なんだか色々)
(見えないもの、見たくないものまで)
(気づいてしまった)
1/1ページ
