花言葉
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嘘だよ、嘘。
私は知ってるの。
【アロエ】
冷たい、クール、そっけない。
そんな噂がたってるのはトキワジムリーダ。
名前はグリーン。
「ねえ、だーかーら!誤解をとこうよ?」
「断る。」
さっきから何度このやりとりが続いたんだろう。
思わず頬をふくらませる。
「だってさだってさ、悔しくないの!?皆に誤解されて。」
「そもそも誤解ってなんだ?」
「噂がながれてんの。トキワジムリーダーは、顔はいいけどクールだし冷たいしなんか近寄りがたいよねー、って。」
「まあ…あながち間違いではないだろ。」
「そんなことない!」
思わず声をあげたら驚いたようにグリーンが読んでいた本から目線をこっちに向けた。
クール?
冷たい?
そんなの彼のどこを見て言ってるの?
きっと、グリーンは誰よりも熱いものを秘めてる。
彼がもってる、ポケモンを育てることに対する、その並外れた知識と経験。
実は彼が、寝る間もおしんで本を読んで独学でポケモンについて学んでいたことを、私は知ってる。
ポケモンを鍛える際、何度も何度も記録と修正をくりかえして、自己流の鍛え方をあみだしたことを、私は知ってる。
彼の中の信念はふつふつと燃え上がっていて、それはきっと、誰にも負けないぐらい今も燃え続けている。
「私、やだなあ。グリーンは優しくてもっといい人なのにさあ。」
今だって、私が真剣に悩んでるって分かった途端、本読むのやめてこっちを見てくれた。
優しいんだ、グリーンは。
「別に周りにどう思われようといいだろ。」
「それが間違ってても?」
「ああ。勝手にそう思わせとけばいい。」
彼はあっさりとそう答え、また本を読み始める。
「じゃあさ……、」
鼓動が少し、早くなった気がした。
「グリーンがブルーのこと好きっていう噂も、そのままでいいの?」
言った瞬間、泣きそうになった。
ただの噂話だって分かってる。
でも、気になって仕方がない。
「………そんなくだらない噂まであるのか。」
グリーンははあ、とため息をついた。
「くだらない!?重要だよ!すっごく!」
むしろ今までの噂より、そこが一番大事。
だって、私はグリーンのこと、ずっと―…。
俯いていたら、パタンと本を閉じる音が聞こえた。
彼は椅子に座ったまま、私のほうに体をむける。
「さっきは周りにどう思われようがいいと言ったが…、」
「うん?」
「あくまで他人にどう思われてもいいって意味で、1番大切な奴には誤解されたくない。」
「……?」
思わず首をかしげると、彼は優しい表情をうかべて言った。
「まあ…だからお前には誤解をといておくが、その噂は間違いだ。」
「ほ、ほんとに…?」
「ああ。」
ほっ、と胸をなでおろす。
でも、また1つの疑問が浮かび上がった。
「……じゃあ、グリーンの好きな人って誰?」
「…………。」
「あ!黙りこむなんてずるい!教えてよ!」
「…………。」
「教えてくれないなら皆にグリーンはケチだって言いふらしてやる!」
ふい、とそっぽを向くと、グリーンはあきれたようにため息をついた。
「…普通気づくだろ。」
「はい?」
「……ついさっき言ったんだが?」
「え!?嘘だあ~!絶対言ってない!だって黙りっぱなしだったじゃん!」
「………。」
また黙りこむグリーン。
ずるいなあ、男のくせに逃げる気か!
「ま、噂が嘘って分かったからいいや。」
「……(鈍感なやつ。)。」
アロエ
(花言葉は、迷信)
(アナタの言葉で、真実を教えて)