時候の挨拶を覚えよう
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▼11月(グリーン)
「グリーン見て!霜が降りてるよっ。」
そう嬉しそうに笑うと、パキッパキッと早速それを踏む彼女。
…ガキか。
秋も終わりに近づいてきた、夜。
足元が見えづらくて危ないから止めろ、と言おうかとも思ったのは一瞬。
とても楽しそうにしているイミテを見てまあいいかと思ってしまった自分は相当甘いと改めて思う。
くしゅん、
イミテが1つ、くしゃみをする。
彼女はこっちを振り返ると照れくさそうに笑った。
「まだ秋なのにやっぱり夜は冷えるね。」
「夜というか明け方だからな。ほら。」
「わ、」
自身がしていたマフラーをとって、イミテにぐるぐると巻いてやる。
普通より長めのマフラーは彼女の目から下をすっぽりと覆った。
……我ながら、キザな行動だと思う。
もしもこれがブルー相手なら冷やかされるのがオチだ。
トキワジムリーダーに就任してからできたらしいファンクラブの会員相手でも、
大げさなくらいに喜ばれもてはやされ、あげく黄色い歓声が聞こえてくることは目に見えてるからやりたくない。
でもコイツは。
「ありがとう、グリーン。」
やっぱりな。
イミテはそう言って、ただ嬉しそう笑っていた。
そんな素直な行動が。
新鮮な反応が。
些細なことのはずなのに、どうしようもなく愛おしく思えて。
その思いが積もって積もって、大きくなって。
「(ああ…これだから困る)」
一生、離したくない…なんて。
霜降の候・晩秋の候・向寒の候
(寒さの向こう側に、)
(気づくものがある)