時候の挨拶を覚えよう
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▼8月(レッド)
8月ももう終わりだというのに、まだ少し暑さが残る。
そんな夏の日の夜。
私は外に出た。
特に理由はない。
なんとなく、外の空気に当たりたくなっただけ。
少しマサラタウンよりのトキワの森。
昼間は野生ポケモンが多く賑やかなこの場所も、夜は雰囲気ががらりと変わり、まるで別世界のようになる。
「(…あ。)」
星空をさらに彩るように、バタフリーがきらきらとした鱗粉をこぼしながら飛んでいく。
パラスとパラセクトが、ぼんやりと光る胞子を空気中に漂わせている。
今タタッ…と後ろをかけていったのは、コラッタの親子だ。
「(やっぱりこの空気は好きだな─…)」
夏の、少しぬるい空気。
静かな夜。
心地のいい夜。
肌にぼんやりとまとわりつく風。
だから、私は。
このとき完全に油断していて。
ふわり、後ろに気配を感じてバッと振り返る。
目の端にうつったのはゲンガーが振りかぶる姿。
腰にあるモンスターボールに手を伸ばすけど、間に合わな
「フッシー〝はっぱカッター〟!!」
ズバンと、私の真横を通って、ワザがゲンガーに命中する。
一撃の攻撃で体力が尽きたゲンガーはボトッと地面に落ちた。
決して急所にあたったわけではない。…レベルの差が顕著に現れただけ。
「レッ、ド…」
数メートル先で、今ワザを繰り出したフシギバナと共に立っている彼。
どうしていつも、こんなにタイミングがいいの。
どうしていつも、私を助けてくれるのは、彼なの。
「怪我がなくて良かった。」
なんて、優しい笑みをうかべた彼に、なんだかひどく胸が苦しくなった。
もう、なんだか。
涙がでてしまいそうだ。
残暑の候・晩夏の候
(好きすぎて胸が苦しいの)
(そんな本音をこぼしたら)
(アナタはどんな顔をするのかな。)
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執筆中、一番にやついて、一番幸せな気分になったのは、やはりこの月でした。