時候の挨拶を覚えよう
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▼7月(ゴールド)
「よっしゃあ!今日で学校終わり!いえーい!!」
教室でそう嬉しそうに声を上げるのは、ゴールドくん。
クラスのムードメーカー…というかトラブルメーカー的な存在。
今も彼の大声にクラスの皆の視線が集まった。
「うるさいわよゴールド!静かにしなさい!」
「いってぇ!クリス!蹴ることねえだろ!可愛げねえな!」
そんな彼を注意するのはクリスちゃんの役目。
それをきっかけにいつもいつも口喧嘩が始まるが、それは微笑ましい…痴話喧嘩のようなもの。
「シルバー!今月中に海行こうぜ!なあ!」
「断る。どうしてわざわざこの暑い中、太陽が照りつける場所に行かなければいけないんだ。」
「うわ。堅苦しい。お前そんなこと言ってっから、んな肌が白いんだよ。少しは外に出ろ!まだお前よりクリスのが肌黒いぞ。」
「女の子に向かって黒いって…!」
「なんだよ、本当のことだろ?」
「それにしても言い方ってものがあるでしょ!」
本当に2人は仲がいい。
彼らを見る度に、お似合いという言葉が頭を駆けめぐる。
別に私にとって彼は、それを妬むような関係じゃない。
ただ前回の席替えで隣の席になって。ただ授業の合間とかにちらほらと会話とかするようになって。
ただ、前より少しだけ仲良くなった、そんな関係なのだから。
それは友達というにはおこがましい。
そこまで仲良くなるには、少し時間が足りなかった。
新学期にはまた席替えをする予定だから、所詮彼との関係はここまで。
変なの。前は彼になんの興味もなかったはずなのに。
今は少しだけそれをさびしく感じている私がいる。
変なの、私。
「なあ、イミテ!」
突然呼ばれた、私の名前。
え…と思いながら顔を上げれば、ニカッと満面の笑みをうかべるゴールドくんがいた。
「夏休み、お前も一緒に遊びに行こうぜ。」
「え……なんで、私…?」
ついこぼれ出た本音。
だってそうでしょ?たいして仲良くもないのに、なんで?
「なんで?んー…」
どうやら明確な理由はなかったみたい。
私の言葉にゴールドくんは眉間にシワをよせる。分かりやすい。
「なんでって……、せっかく隣の席になったんだし、このまま終わらせるのもったいねーだろ?」
笑顔と共に告げられた言葉。
あれ?同じだ。
だって私もさっき、このまま終わってしまうのは、もったいないと思っていて。
「それに俺、お前のこと意外と好きだし!仲良くなろうぜ!」
言葉に、笑顔に、勢いに。
心臓がドクンと高鳴ったのは、きっと気のせいじゃない。
7月。猛暑日。
ああこの暑さにやられてしまったかもしれない。
恥ずかしさと、嬉しさと、緊張と。
いろいろ混ざって頭がくらくらする。
猛暑の候・盛夏の候
(全部全部、君のせい)
(さあ、夏まっさかり!)
────────
書きやすいお相手を選んでしまった私。
ルビーごめんね。