虚偽に惹かれた愚かもの
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タッ、とレッドはプテから降りた。
そして、きょとんとしながら私達の顔を見る。
「グリーンもイミテも、何でここにいるんだ?」
「聞きたいの?わざわざ?」
「うっわあ。なんか今のイミテの反応で大体分かったからいいや。ありがとう。」
「どういたしまして。」
レッドはどっと疲れきった顔になって、プテを静かにボールに戻した。
「で、当の本人はどこなんだ?」
「さー?一向にくる気配ないんだよね。今回は特にたちの悪い嘘で呼び出したんだから、よっぽどのことだと思うんだけど…」
「…こう言っちゃ悪いけど、イミテってブルーと知り合ってから腹黒くなってないか?」
「え?」
「いやいやいや!何でもない!何でもないからモンスターボールかまえるのやめて!ストップ!」
「おい、来たぞ。女王様が。」
「「え!」」
グリーンの言葉に、私もレッドも上を見れば、プリンでふわふわと空をただようブルーの姿があった。
「はぁい!お待たせ、皆♪」
悪びれた様子もなく、平然と手をふっているブルー。
「レッド。ダメだからね?プテにはかいこうせんとかさせちゃダメだからね?」
「そうだぞレッド。少し標準をずらして驚かせる程度にすれば怪我はないだろうが…、はかいこうせんはダメだぞ。」
「え?何で2人とも俺にふりみたいな事言ってんの?やんないよ?そんなことしてブルーの怒りかうの俺だもん。」
「……チッ、へたれめ。」
「イミテ!?女の子が舌打ちとかしちゃダメだから!」
「ブルーはよくしてるもん。」
「あれはダメな人間の見本!真似しちゃいけません!」
「聞こえるぞ。」
グリーンの言葉にレッドは顔を青ざめてピタリと口を閉じた。
ブルーの力、恐るべし。
「よいしょっと。」
すとん、とはかいこうせんをくらうこともなく無事に着地したブルー。
「よかった。皆そろってるわね。」
「うん。ブルーが人間としてついちゃいけない嘘ついて集めたんだから、そりゃあ集まるよ。」
「今日、イミテあれてるな。心が。」
「ああ。かなりの毒舌だな。」
後ろでごちゃごちゃ言ってる2人は無視して、私はブルーにつめよる。
「ブルー。言わなきゃいけないことあるよね!?」
「え?なあに?」
「そんな可愛らしく首傾げてとぼけてもダメだからね!人を心配させるような嘘ついて!!」
「ああ、あれ。泣き真似、完璧だったでしょ?」
ふふん、と得意げに鼻を鳴らすブルー。
「もう!何であんな嘘ついたの!?」
「だってああでもしないとグリーン、来てくれないんだもの。この前の『レッドが風邪ひいて大変なの!』っていう嘘はまんまとスルーされちゃったし。」
「なあそれ聞いて、今俺間接的にダメージ受けたんだけど!?何でブルーが泣いたら心配すんのに、俺が風邪だと心配しねぇの!?グリーン!」
「氷づけになってても生きてるぐらいだから…まあ、ほっといても死なないだろう、と思ってな(笑)」
「死ぬから!俺、不死身じゃねえから!というか、なんだよその(笑)!!」
「あっはは!グリーン、それはひどいよ。自分だって氷づけになっても生きてるようなゴキブリ並みの生命力なんだから、人のこと言えないじゃない。」
「…!」
「イミテも笑顔でひどいこと言うのやめてあげて。グリーン、地味に傷ついてるから。今日ホント怖いって!落ち着け!」
「まったく、うるさいわねアンタ達。」
「元凶が何言ってんのー!?」
ブルーは相変わらず罪悪感なんて感じていなさそうで。
というか、ブルーの感じる感情にたぶん罪悪感なんてジャンルはないんだろうね!
「そんなブルーにぴったりなお話をしてあげるよ。題名はオオカミ少年って言って…」
「そんなに怒らないでよ。可愛い少女の、可愛いイタズラじゃない。」
「ブルーも空気読もうな。」
「開き直らないで!…本当に心配したんだから…。」
「!イミテ…」
「何で急にシリアスな雰囲気になってんの?」
「しっ!つっこんだら負けだ。」
「あの、イミテ、」
ブルーが申し訳なさそうに私を見る。
私はわざと、彼女と目を合わせないようにした。
「…謝るまで絶対許さないから。」
「ごめんね。」
「!!!」
「グリーン。イミテがすげえ悔しそうな顔してるけど?」
「まさかあんなにすんなり謝られるとは思わなかったんだろうな。だが、言ってしまった手前、ひけなくなったんだろう。」
「…もー!後ろ、うるさい!そんな冷静に解説しないでよ。空しくなるじゃないっ。」
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