虚偽に惹かれた愚かもの
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ジャー…、カチャ、カチャ……
…キュッ
「よし、終わったー!」
夕食の後の食器洗いを終えてすがすがしい気分になり、思わず声がもれてしまった。
やること一通り終わったし、このあと何しようかな。
あ、そういえば読みかけの本があったんだ。
そうだそうだ、読者にしよう。
そんなことをぼーっと考えながら手を洗っていると、
プルルルル…とポケギアの着信音が鳴り響く。
「わわ!電話、電話…」
あわててエプロンの裾で手をふいて、ディスプレイを見ることもなくポケギアを耳に当てた。
「はい。」
「…。」
「?どちらさまですか。」
「ぷっ…!…、……うっ、うっ…」
「え?何?だれ?」
変な声のあとに、泣いているような声が聞こえた。
「…うっ、」
「泣いてるの?誰…?」
「イミテ…、うっ、」
「!?もしかして…ブルー?」
「う、ん…」
弱々しく、ブルーは受話ごしに答えた。
「何!?どうしたの!?何があったの!?」
「うっ、ひっく…」
聞いたけど、嗚咽が聞こえるばかり。
このままじゃらちがあかないし、とにかくブルーが心配だ。
「今どこ!?」
「……うっ………オツキミ山の、てっぺん…」
小さくつぶやかれた声に、ホッと胸をなで下ろす。
場所が分かれば、直接会いに行って無事を確かめられる。
「オツキミ山ね!待ってて!今すぐ行くから!動かないでね!」
そう念をおして、
私はモンスターボールを手に取ると、急いで家を飛び出した。
ピジョットの背に乗ってやってきた、オツキミ山山頂。
でも、そこにはブルーの姿はなくて。
ちなみにここにくるまでに上空からブルーの姿を探したけど、やっぱり見あたらなかった。
とりあえず、ピジョットから降りて地面に着地する。
動かないでって言ったのに、ブルー、どこにいるんだろうっ…
怪我とかしてないといいけど…!
嫌な想像ばかりが頭にうかんでしまって不安になっていた丁度そのとき…、「おい。」と、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「…あ、れ?グリーン…。」
そこに仏頂面をしたグリーンがいて。
「…。」
「…。」
ううん…何だろう、この展開。
前にもこんなようなことが会った気がするなあ。
なにせ、ブルーってイタズラ大好きだから。
いや、でも、まさか。今日のは本当でしょ!
だってブルー、電話で泣いてたし。
まさか、ね!そんな手の込んだ嘘つかないよね?ね!
そんなことを思いながらも、私の中のブルーに何があったんだろう!?大丈夫かな!?…という不安はすっかり消えていた。
「……。あはははは。グリーン、こんな夜中に散歩?物好きだね。あ、私、ブルー探さなきゃいけないんだ。じゃあ、さよなら。」
「おい。現実逃避するな。」
逃げようとしたけど、ガシッとグリーンに腕をつかまれる。
「…ああー!もう!やっぱりブルーの嘘だったの!?」
「ああ。全く、あの女は…」
はあ、とグリーンがため息をつく。
その気持ち、よく分かります…
だって私、電話があってから、本当に本気でブルーのこと心配したのに…!!
「でもグリーンがブルーにだまされるなんて珍しいね。」
「…たぶん嘘だと思ったが…今回は泣いてたからな。全く、たちが悪い。」
「ふふふ!ブルーが泣いてるのが本当だったら、ほっとけないもんね。グリーン、優しいから。」
「…」
グリーンがふいと、そっぽを向く。
たぶん照れてるんだろう。かわいいなあ。
「私にもグリーンにも連絡がきたって事は、たぶん…」
「ああ。アイツにも連絡がいっているはずだ。そして、アイツは100%ここにくる。」
「うん。だって単純だもん。」
そんな会話をしていたら数分後、プテラの羽音と「おーい!」と声が聞こえてきた。
期待を裏切らないところ、すごいと思うよ!うん!
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