Forever…
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いつもはイエローと並んで歩いていた道を、今日は独りで歩く。
1人だと…こんなにも見える景色って違うんだなあ。
いつも話すことに夢中だった私は、こんなところに家があったとか。
こんなところに田んぼがあったとか。
こんなところに花が咲いていたとか。
ちっとも気がついていなかった。
でも、比較的聞き役が多かったイエローは、こんな毎日の風景の移り変わり、見えていたのかな…って。
……私とイエローは、見ている世界そのものが違ったのかなあ。
「…。」
別にイエロー以外に友達がいないわけじゃない。
同じクラスに帰り道が同じ子がいたはずだから「一緒に帰らない?」って明日声をかけてみよう。
移動教室とか休み時間とかたまに一緒にいるグループだから、きっとそれがきっかけでもっと仲良くなれるだろう。
…それなのに…。
どうして胸に広がるのは、喪失感なんだろう。
隣を見れば、いつもそこにあるはずの笑顔がなかった。
「(ああ…)」
理解した。
私、彼女が…イエローがいないことをすごく寂しく感じてるんだ。
「……」
思い返せば、いつもそうだった。
いつも、独りでいる子がほっとけなくて、気づけば声をかけていた。
でも今分かった。
ほっとけなかったんじゃない。
私は…すがりついていただけだ。
そういう子なら裏切らないだろうなって。
他に友達ができても、私のところに来てくれるだろうなって。
ううん、その子に友達ができなければいいとさえ心のどこかで思っていた。
そうすればその子は私から離れていかないから。
イエローなんか、まさにそうだ。
彼女が優しいのをいいことに、私はそれにつけこんだ。
彼女は、優しくて断れないから…その優しさに甘えていた。
「…嫌なヤツ。私。」
自分で言うのもなんだけど、私は明るい性格だから(ううん、そうなるように努力していたから)、友達はたくさんいた。
でも、いつも一緒にいてくれるような“親友”はいなかった。
(思えば、人間って誰もがそうなのかもしれない。)
(いつ自分から離れていってしまうか分からない、友達がたくさんいる子よりも)
(人付き合いが少し苦手でも必ず自分と一緒に居てくれる子を選ぶのは、当然だ)
ああ…、
本当に孤独だったのは、私なのかもしれない。
イエローは優しいから、今まで無理して私と仲良くしてくれてたのかなあ、とか。
本当は断りたかったったんじゃないかなあ、とか。
いろいろ考えてしまう自分が嫌になる。
絶対、イエローを不安にさせて、嫌にさせていただろうなあ…って。
「(あーあ。なんか今日ダメだ。)」
一度マイナスに考えてしまうとそこからぬけだせないのが私の悪い癖だ。
今日は早く家に帰って、早くお風呂に入って、早く寝よう。
…と、考えていると。
「イミテちゃん!!」
後ろから大きな声が聞こえた。
振り返れば、そこにいたのは息をきらしたイエロー。
はあはあ、と肩で息をする彼女に「大丈夫!?」と声をかけるのもできないほど、驚いている私がいて…
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