Forever…
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「はーい。今から、本音しか言っちゃだめな時間ね!!」
オーキド研究所にて。
オーキド博士に頼まれて朝から書類整理をしていて、今は休憩時間だ。
紅茶を飲みながら、クッキーを食べて。まったりとした時間を過ごしていた私とクリス。
なんかつまんないなー、暇だなー、おもしろいことしたいなあー…あ、そうだ!
…という流れで、冒頭の発言に至った。
「え?」と首を傾げるクリスに、私はにっこりと笑う。
「まずは~…あ!じゃあシルバーのことね!どう思う?」
「え、ちょっと待って。話の意図が全く見えないんだけど。」
「いいからいいから♪シルバーはさあ、シスコンなのがだいぶ傷だけど、見た目は文句ないぐらいのイケメンだよねっ!」
「え、」
「そう思わない?クリス!」
「え、ええ…。綺麗な顔してると思うけど…」
返事が返ってきたことににやっと笑って私は続ける。
「あー、でも、一番のイケメンっていったらグリーンさんかなあ。それに、ジムリーダーっていう将来安泰な特典つきだしね!」
「まあ…グリーンさんは素敵な人よね。何かと気にかけてくれるし、頭もいいし。」
「頭もいい、といえば…ゴールドもそうだよね。」
ピタリ、と。
クリスの顔が硬直したのが分かった。
…ああ、やっぱり。
「あはは!ゴールドが?あのお調子者のどこがよ?」
「お調子者だけどさあ、なんだかんだでいつも一番周り見てるのはアイツだよ。何も考えてないようで、実は一番考えてるってやつ?」
「…」
クリスは黙りこむ。
少なくとも彼女も、そう感じたことがあるということだろう。
「私は、ゴールドってまあ顔は普通だけど、話はおもしいから、あのわざとらしいお調子者な感じをなくしてもっと大人っぽくすれば全然モテると思うんだよね~。…はい、クリスは?」
「へ!?」
「どう思ってるのって。あ、じゃあ簡単に2択にしようか?ゴールドが彼氏って、あり?なし?」
「か、彼氏って!そんなこと、考えたこともないわよ!」
嘘。顔、真っ赤にさせちゃってさあ。
「私は、“あり”だな。」
ニヤリと、いじわるく笑ってみせる。
「え!?」
焦ったようにクリスが声をあげた。
「……イミテって、ゴールドのこと…好きだったの?」
おずおずとした声色でそう聞かれる。
分かりやすい態度にまた笑ってしまった。
「ううん。全然!私、今、付き合ってる人いないし、“遊び”で付き合ってみてもいいかなーって感じ?」
「なに、それ…!」
クリスがガタンと椅子を立つ。
「遊びとか、好きでもないのに付き合うとか、そんな簡単に考えないでよ…!相手に失礼だわ!!真剣に向き合ってからにしなさいよ!」
「うーん。そんなこと言われても…これが私だからなあ。真面目なクリスには分からないだろうけど。」
「それに、」と私は続ける。
「そういうクリスは、ちゃんと向き合ってるの?」
「…っ!」
「向き合うべき人、いるんじゃないの?」
それだけ言って、私も席を立つ。
「おちおちしてるととっちゃうよ?ゴールドのこと。」
最後にそう言い残して、オーキド研究所を後にした。
「あ、もしもし?シルバー?…うん。うん、そう。クリスったら途中途中真っ赤な顔させちゃって!かわいかったー!……うん、これで素直になるでしょう、自分の気持ちに。」
ゴールドが好きなくせに、顔合わせれば喧嘩ばかりなんだから。世話が焼ける。
全く、意地っ張りで困るよね!なんて明るく言えば、無言が返ってきた。
そしてしばらくして聞こえてきた、お前はそれでいいのか?、っていうシルバーの言葉に思わず、息をのむ。
「もちろんっ。ゴールドもクリスも大好きだもん。あ、もちろん、シルバーもね!」
大好きな彼が、いつもするみたいに冗談でかわす。
受話器越しに、ため息が聞こえた気がした。
透明な水晶を、透明じゃなくしたのは私
(誰よりも嘘つきだったのは…私)
(でも、これでクリスに嫌われちゃったら泣きたくなっちゃうなあ)
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