Forever…
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ブルーのこと独り占めできればいいのになあ。」
「は…?」
私がそうつぶやくと、彼女は綺麗な深い青色の瞳をまん丸に見開いた。
「だーかーら!ブルーのこと独り占め、」
「ストップストップ!突拍子もない子だと思ってたけど、ここまでストレートに同性愛宣言されると思ってなかったわ。ちょっと整理する時間ちょうだい。」
「同性愛?あははは!違うって!なんでそうなったの?バカみたい!あはは!」
「……アンタ、ぶん殴られたいの?」
ブルーから殺気を感じて私は押し黙る。
怖い怖い!きれたブルーは何するか分からないもんね!
「全く…1から説明してちょうだい。」
「えー…。んーと、ブルーって、例えるなら猫みたいじゃない?」
「猫…?」
「うん、猫。自由だから。」
自由気ままで。
好き勝手に生きてる、猫。
甘えたくなったら一鳴きしてすりよれば、皆がかまってくれる。
ほうっておいてほしいときはその身軽な身体でぴょんと屋根の上にとびのってしまえば…ほら。もう自由な時間。
誰からも好かれて。
誰からも愛されて。
まるでブルーにそっくり。
「私は人見知りだから、そんなに友達いないけど、ブルーにはたっくさんいるでしょ?」
「…上辺だけの付き合いよ?」
「それでも、羨ましかった。」
ブルーがいると、いつの間にか彼女のペースができあがっている。
雰囲気に、のまれていて。
気づけば皆…笑っている。
皆、彼女に魅了されている。
私も例外でなく、ブルーといるのが楽しくて。
他のどんな友達よりもブルーといるときが一番楽で。落ち着いていられて。
着飾らなくていい…つまり、私らしくいられて。
だけど…、
「私にとってはブルーが一番の友達だけど、ブルーにとっては私はたくさんいる友達のうちの1人で。」
ブルーは決して、私だけのものにはなってはくれない。
だって彼女は“猫”だから。
私と話していたはずなのに、少し遠くに知り合いを見つけてかけていくブルーの背中を見送るときの気持ちは、もう…切ないったらありゃしない。
もしもこれが男女の恋愛だったなら、“付き合う”とか“彼氏”とか“彼女”とか…
そういうものを理由に、グイッと腕を引っ張って、『他の人のとこ行かないで』なんてちっぽけなわがままも言えたのかもしれない。
だけどあいにく、これは友情で。
ブルーを独り占めしてしまう術を、私は知らない。
だから、ブルーの背中をただただ悲しく見送って、また私のところに来てくれるのはいつなんだろうって悲しく待つことしかできない。
もしかしたら友情って恋愛よりも難しいのかなあ…なんてぼんやりと考えながら。
「たまにほんの少しだけさびしくなっちゃうときがあるんだ。だから、ね。私のこともちゃんと定期的にかまってね!」
なーんて、と。
冗談まじりに笑顔を見せる。
ブルーがベタベタした1人の友達に固執するような関係、嫌いだって分かってるから。
「…。」
無表情なままのブルー。
あれ?冗談っぽくなってなかったかな、と少し不安に思ってると、スッ…と彼女の白くて細い手が私に伸び…
「痛っ…!?」
あろうことか、パシン!とデコピンされた!
「アンタ、本当にすぐ顔に出るわねー。まあそこがおもしろいんだけど。」
ブルーはオホホと笑い、ムッとしている私に向かって言った。
「アタシが猫なら、アンタは甘えるのが下手くそな犬ね!」
「なにそれ!」
「…ねえ。なんだかんだでアタシ、イミテといるときが一番好きよ?」
「!」
にっこりと綺麗な笑顔。
ああ、もう…!
これだから私はブルーが大好きなんだ。
気まぐれな青色に溺れる
(一番の友達でいたいの)
.