本音を聞かせて
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「……。」
ブルーは目線を下に落とし、黙り込む。
「ねえ、どうして?」
「………。」
黙ったままのブルーにイミテは口を尖らせて言った。
「言ってくれないなら、ずっとここにいる。」
「ひ、卑怯よ!」
「言わないブルーが悪い。」
いたずらっ子のような笑みを浮かべたイミテ。
ブルーは少し黙り込んでいたが、また1つため息をつき、観念したかのように話し始めた。
「…何かしてないと、考えちゃうのよ。」
「……何を?」
彼女は顔をあげジッとイミテを見つめる。
その瞳は、綺麗な深海のようなすんだ青だった。
「もし…。もしもの話しよ?」
「うん。」
「もしも、あたしにパパとママがいたら…、誕生日はどんな感じなんだろうって。」
彼女は両親のぬくもりというものを知らない。
だから毎年毎年、誕生日になると考えてしまうのだ。
顔も声も何も覚えていないけれど、もし、自分に両親がいたとしたら、と…。
仲間に誕生日を祝ってもらえるのは嬉しい。
でも、1度でいいから家族と過ごす誕生日というものを、経験してみたい。
数十年前のこの日
あたしが生まれたこの日
彼らはどんな反応をしたんだろう
あたしが生まれたこと、
少しでも喜んでくれたのかなあ―……
「……あ、かわいそうだなんて思わないでよね!」
はっ、と我に返り、ブルーは笑いながら言った。
「こうやって皆に祝ってもらえたし、プレゼントももらえたし!本当に、何となく考えちゃうだけだから。」
「ブルー…。」
暗い表情はほんの一瞬のことで、数秒後にはまたいつものブルーらしい笑顔を浮かべていた。
ああ、とイミテは思った。
ブルーはいつも、明るい。
楽しいことが大好きで、皆のお姉さん的存在。
ちょっぴり高飛車だけど、心はすごく優しい子。
ブルーとは長年の付き合いなのだ。
彼女の性格ぐらい、すべて分かっている。
きっと今目の前にある笑顔も、本当の笑顔ではない。
自分を心配させないようにととっさにつくろった、偽りの笑顔だ。
だって、ほら
「だからアンタがそんな顔する必要なんてないわよ!ねっ?」
口調は明るいくせに、今にも泣きそうな顔してる。
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