青春メモリー
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「ねー、ゴールド!この前借りた漫画なんだけどさ、すっごくおもしろかったよ!」
「だろ?マジでヒロイン可愛いよな。」
「うん。私的には主人公の性格も好き。」
「あー…確かに女が好きそうな好青年だもんな!」
「なんかその言い方気に入らないなー…。まあいいや。続き読ませて。」
「いいぜ!帰りウチによるか?」
「うん!ありがと!」
【結果オーライ?】
チャイムが鳴り、ゴールドの元から戻ってきて席についたイミテ。
その横顔は嬉しそう。
「………。」
「ん?なに?シルバー。」
「…何でもない。」
イミテが嬉しそうな顔をするのは別にいい。
むしろコイツの幸せそうな顔を見るのは好きだ。
でも、その理由にゴールドが関わってくるとなると……、なんだかいつも無償に腹がたつ。
「あ、ねえシルバーは読んだことある?この漫画。」
イミテは机に手をしのばせて、チラリと表紙を俺に見せる。
そこには今にもビームをだしそうな構えをした少年が描かれていた。
腰にはベルトもあって…まさか戦隊ものか…?
この年で?
「いや、知らない。」
「だと思った。シルバーって妙に大人びてるとこあるから。」
「お前が子供じみてるんだろう?」
「えー。これゴールドの何だけど、私が読み終わったら貸してもらいなよ。絶対ハマるから!」
「興味ない。」
そうしらっと答えれば、イミテは「面白いのに。」と頬をふくらます。
でもすぐに明るい表情になって「あのね、主人公はビームを3種類だせてね、」とか語り始めた。
イミテとゴールドは幼なじみで、仲がいい。
毎朝一緒に登校しているらしい。
それも家が近いから仕方ないことなのに…。
なんなんだ、気に入らない。
「でね、ヒロインが主人公より強くて、」
「おい。」
さっきから漫画の説明をしっぱなしのイミテを呼び止めれば、「なに?」とこっちを向いた。
「……やっぱり読む。」
「え?」
「…本。」
「ええ!?どうしたの?まさか私の説明で読みたくなった!?」
「…ああ。」
否定しようかとも思ったが、さすがに本当の理由は言えないから、とりあえずそういうことにしておいた。
(お前のことを、もっと知りたいと思った
なんて、言える訳がない)
イミテはイミテで、「私、セールスの才能あるかもっ!」とか言って嬉しそうに笑っている。
「じゃあ…とりあえず今日の帰り、一緒にゴールドの家行かない?」
まさか誘われると思っていなかったから、驚いて言葉も出せないでいると、
「あー、でもシルバーは帰る方向違うよね。遠回りになっちゃうなー。んー…どうしようか…?」
と自己解決して、もう次の策を考え始めていた。
「別に遠回りになってもいい。」
「あ、そう?じゃあ帰りね!わー!シルバーと帰るの初めてだ!」
そう嬉しそうに笑顔を見せたイミテ。
この笑顔を、ゴールドにいつも見せているのかと思うと……、やっぱり納得いかない。