青春メモリー
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「あーあ!ゴールドの面倒みるのは大変ねぇ。」
「何急にお姉さんぶってんだよ。」
「当たり前でしょ!同い年とはいえ私のが誕生日早いし。」
「身長は俺のほうが高い!」
「それは当たり前!一応男と女なんだから!」
“男と女”。
その単語にピクリと反応しちまった。
「………じゃあさ、」
お前は俺を“男”って意識して見てんのか?
思わず聞こうとした。
俺はこんなにも日に日にお前に惹かれてるっつーのに、お前だけは平然としてるなんてずりい。
俺が我慢できない子供みたいでかっこわりい。
お前は俺のことどう思ってんだよ?
友達か?ただの幼なじみか?
それとも――……
俺が口を開きかけたとき、
「あ!」とイミテが声をあげた。
「な、なんだよ…」
「ぷ…あはは!ゴールド、ボタンかけ間違えてる!」
俺の制服を指差し、大笑いしてるイミテ。
見てみれば…本当に一段ずれてる。
「時間がなかったんだよ!」
「そっかそっか。」
くそ!なんか俺、すっげー子供扱いされてんじゃねーか!
俺はボタンをかけ直すために手袋をとろうとした。
何でこんな日にかぎって手袋してきちまったかな…。
右手の手袋をとった時、イミテが俺の手をトンと優しく叩いた。
「は…?」
「動かないで。」
直後、制服の下のカーディガンからチラリと見えていたイミテの指が、ボタンへと触れた。
白くて、細くて、ちっちぇえその手。
優しく丁寧に、ボタンははずされ、かけられ。
「はい、完成!」
ニコっと俺を見上げて笑った。
「…なんかいいな、こういうの。」
「ん?」
「夫と妻みてえな。」
「……え。」
イミテが驚いた様子でこっちを見たから、俺達は必然的に見つめ合う感じになった。
「ばっ…!何言ってんのよ!お母さんと子供でしょ!」
しばらくしてイミテが我にかえったようにそう騒ぎだす。
「ふざけんな!」
「あはは!………あー!本当に遅刻しちゃう!行こう!」
そう言って早歩きで歩きだしたイミテ。
あーあ、またいつもの調子に戻ってるし。
「まあでも……、」
ふと立ち止まり、背中ごしにイミテは言った。
「妻と夫……何年か後には本当になってるかもね!」
「!?//」
不覚にも、顔が真っ赤になっていくのが分かった。
新婚ごっこ
(まあ冗談だけど)
(てめえ…!)
(なーに?本気にした?)
(………したよ!めちゃくちゃな!//)
(……………え?)