青春メモリー
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ジリリリと耳障りな目覚ましの音が鳴り響いた。
なんなんだよ、せっかくピチピチのギャルとバカンスに行ってる夢みてたっつーのによ!
空気読めねー目覚まし時計だな!
【新婚ごっこ】
「ふあー!」
両手を天井に向けて大きく伸ばし、体を覚醒させる。
そしてさっきからジリジリとうるさい目覚まし時計を勢いよく止めた。
「たく、今何時だよ…うわっ!」
時間を確認して仰天!
どうやら今日はいつもより30分遅い起床のようだ。
制服に着替えて洗面して学校の準備して、自慢の前髪を整えて。
急いで2階の自分の部屋から1階のリビングへと駆け下りた。
「ゴールド、おはよう。また前髪爆発してるわよ。」
味噌汁を片手に、母さんは俺の前髪を見て笑った。
「だー!!こういうファッションなんだよ!」
いつもと同じ言葉を返し、玄関に向かう。
「あ、こらゴールド!朝ご飯は!?」
俺は「いらねー!」と勢いよく言うと、そのまま家を飛び出した。
朝飯なんか食ってる暇ねえ!
なにせ、時間にものすごく厳しい奴がいるからな!
俺の家から徒歩5分、走って3分……アイツ――イミテの家だ。
案の定、門の前で腰に手をあてて不機嫌そうにしているイミテがいた。
俺が「よっ!」と声をかければ、普段はたれ気味のその目はキッとつり上がった。
「もう!ゴールド遅い!」
イミテは俺の幼なじみ。
普段はどっか抜けてるくせに、変なところで正義感の強い奴。
「わりいな!寝坊しちまって。」
「わりいなじゃない!ゴールドが寝坊すると私まで急がなくちゃ行けないんだからっ!」
「いいじゃねーか。ダイエットになるぜ!」
「ダイエットなんて必要ありませんー!」
「……そうかあ?」
「何その反応!ムカツクー!!」
ギャーギャー騒ぐイミテ。
もうこんな会話はしょっちゅうで、日課と言っていいほどになっちまった。
むしろ今はこのやりとりがないと1日が始まらない気すらする。
「今度寝坊したら先行くからね!」
「いや、それはダメだ。」
「なんでよ!?」
「どうしてもっ!」
理由なんて言えるはずないだろ!
……「少しでも長く一緒にいるためだ!」なんて、俺のキャラじゃないし!
俺がイミテにこんな感情を抱くようになったのは、たぶん大分前からだ。
それなのにコイツは、俺のこと幼なじみとしか見てなくて全く意識してねぇ!
この前なんか「ばっくしょん!」とか、ばばあみてえなくしゃみ平気でしてたし。
俺に可愛く思われたい、とか全く思ってないだろ、コノヤロー。