青春メモリー
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窓側の一番後ろ。
この前の席替えで楽園とも呼べるこの席をゲットした時、私は天にものぼるここちだった。
【昼下がりの夢うつつ】
だってお日様あったかいし?
先生もあんまりこっち見ないし?
窓によりかかれるから楽だし?
おまけに隣の席はあのグリーン!
授業で分かんないとこあったら聞けるし、授業に飽きたら彼の美貌を眺めればいいし!
うふふ、私ったら何て運がいいんだろう。
逆に人生の半分ぐらいの運をここで使っちゃったんじゃないかって不安になるよね。
まあ今が幸せならいいや。
ああヤバい、顔がニヤける。
「おい……。」
隣りから聞こえたやや低い声。
「なに?グリーン。」
それが彼だと分かり、私はウキウキ気分で返事した。
「さされてる。」
「はっ?なにに?蚊でもいた?」
「蚊なんているか。今は冬だぞ。授業あてられてって意味だ、バカ。」
「へ?」
思わず周りを見回せば、「またか…」というようなクラスメートの呆れ顔と、今にも怒り出しそうな先生。
そういえば今は古典の授業中でした。
「イミテさん!」
「は、はい!」
「さあ、さっき言ってたとこ、読んでください。」
「え、あ、はあ……」
幸せに浸ってた私がそんなこと聞いてるわけないじゃない!
「(グリーン!ヘルプ!)」
必死に隣に座っている秀才君に助けを求める。
「………」
彼は舌打ちをすると軽く教科書を私のほうに傾け、読むべき場所を指差した。
……ふむふむ。
「えっと、今は昔、竹取の翁というものありけり…、」
グリーンさんのおかげで危機をのりこえられました!
「…はい、いいですよ。」
一通り読み終えた私に、先生は少し不満そうな顔でそう言った。
私はグリーンに「ありがと」と小声でお礼をいった。
そしたら口パクで「前向け」だって。
やっぱりモテる人は違うねえ。
私は素直に前を見て黒板を書き写す。
……30秒後。
案の定 私の視線は 窓の外
あ、一句できた。
ん?字余りな気もする?
でもさ!こんないい天気に誰が好き好んで勉強するかって!
特に古典とか、先生の声が子守歌に聞こえるよ。
しかも5時間目だし!
最高のお昼寝タイムだよ。
はあー、眠い眠い。
今日の夕飯は……なにか、な…あ………。
昼下がりの夢うつつ
(………すー…)
(チッ……寝るなバカ)
(………グ、リーン)
(!?//)